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2006年8月31日 (木)

日本航空

朝日新聞の8月26日BEE”読み解く”に「問題多いJAL増資」という町田徹氏のレポートが載っていた。このレポートは「もはや、JALに資本市場を利用する資格があるとは思えない。」との文章で締めくくられており、非常に厳しい表現である。そこで、私なりに、日本航空について分析してみたのが以下です。どう思われますか?

(1)増資と株価

(株)日本航空は、6月28日に株主総会を開催。6月30日に取締役会で700百万株の公募増資及び50百万株のみずほ証券によるオーバーアロットメントによる売出しを決定し同日公表した。合計750百万株の新規発行は、発行済み株式1,982百万株(自己株式3百万の控除後)の35.4%に相当することから、株式の希釈化となり株価は6月28日の終値291円から7月25日は200円を切ったこともあり、最近は220円程度で推移している。

この増資については、7月18日の日本証券業協会の安東俊夫会長が定例記者会見で、「事前に株主に説明することができたのに、しなかったのは段取りが十分ではない。株主などに十分な説明がなされていない点が問題だ。」と発言したことが報道されている。又、日本航空は、この増資で2000億円の調達を計画したが、最終的な手取金額は1470億円であった。

増資結果、日本航空の株主資本は1189億円から2659億円へと2.2倍になった。

(2)日本航空の財政状態と業績

一時的な株価の上昇・下降はあっても、最終的に株価は企業の財政状態と業績(将来の見込みも含め)により決まってくるはずである。貸借対照表と損益計算書は最重要情報を提供してくれるのであり、これを見る必要がある。日本航空の第1四半期(06年6月末)の連結貸借対照表を下に掲げる。なお、全日本空輸の同じ第1四半期(06年6月末)の連結貸借対照表も掲げる。

Bs0606c_1

財務諸表は通常、数字が羅列された形式で見ることとなるが、全体像を把握するためには、この様なビジュアル・イラストレーションが私には解りやすい。全日空も同様で、有形固定資産の割合が大きい。全日空と比較して、日航で問題と思える点は、株主資本が少額であることです。総資産に対する割合では日航は5.6%。全日空は20.8%。これは、06年6月の状態であり、増資後の状態は、他の数字に変動がないとして日航の増資後の割合は11.8%となった。

日航は6月28日の株主総会における第1号議案が損失処理案の承認であり、その内容は、未処理損失1313億円をその他資本剰余金635億円と資本準備金678億円により一掃することであった。

現在の(株)日本航空は2002年10月に当時の日本航空(現在の日本航空インターナショナル)と日本エアーシステム(現在の日本航空ジャパン)の株式移転により設立されたホールディングカンパニーである。日航グループが航空輸送事業を行うに当たり、有形固定資産である航空機調達を有利に行うにために、健全な財務体質を保持し安いコストでの資金調達を目指すのは当然のことと言える。

そう考えれば、増資はごく自然な流れであったと思う。しかし、株主総会の2日後の決定であり、株主総会で説明はされなかったのであろうから、会社の所有者である株主に対し折角の機会である株主総会に対し説明を行うべきであったと言える。

(3)日本航空の企業成績

企業成績の一番の基準は、やはり損益計算書であると考える。第1四半期(06年6月末)の損益計算書は発表されているが、1年をカバーする日航と全日空の06年3月期の連結損益計算書を以下に掲げる。

Incm0603_3

日航の問題は事業収益2兆1994億円に対して純損失472億円を出していることである。有価証券報告書(有証報)のセグメント情報によれば、航空運送事業が営業損益の段階で434億円の損失である。全日空は連結純利益267億円であり、純利益率2.0%である。これに対し日航は損失率2.1%となる。

重要なことは、黒字転換が達成可能かである。この点に関しては、航空輸送事業のコスト構造が一般製造業とは異なり固定費の割合が極めて大きく、極端に言えば、変動費は販売手数料が大部分とも言える。そこで、日航が8月7日、全日空が8月15日に発表している4月~6月の3ヶ月間の輸送実績を比較することとする。

2006年4月~6月の旅客輸送実績

(上段 単位:千人、下段 利用率)

  国内線 国際線 合計
日航 10,369 3,192 13,561
60.4% 69.9%  
全日空 10,897 1,045 11,942
62.9% 75.9%  

日航と全日空の旅客輸送実績を比べてみると、利用率で日航が低いことから、改善できる余地があると思える。日航の2005年度の航空輸送事業の収入が1兆6000億円であり、1%は160億円に相当する。収入の10%は変動費としてコストとなり、固定費は変動がないことから、90%が利益増に結びつくとすれば、1%の航空輸送事業の収入増は、144億円の利益増をもたらすと考えられる。そうであれば、472億円の連結損失の黒字化は不可能とは思えない。現状、第1四半期(06年6月末終了)の日航の連結決算の結果が、268億円の損失であり、前期第1四半期の384億円の損失より小さくなってはいるものの、これでよいと言えるレベルではない。利用率の向上は必要と思う。

(4)その他の町田徹氏の指摘について

- 退職金の積み立て不足2731億円

06年3月期の有証報によれば日航の退職給付債務は9062億円。これに対し、社外に積み立てた年金資産が5120億円で1398億円の退職給付引当金がある。従い、差額の2544億円が未処理・未認識の差異となる。この会計処理は、退職給付に係わる会計基準(企業会計基準第3号)に従っていることから、疑惑と言うと言い過ぎであり、誤解を招くと考える。

全日空は、退職給付債務2699億円、年金資産1109億円、退職給付引当金1074億円であり、未処理・未認識の金額は516億円である。日航は、未処理・未認識の金額が大きいことから、その費用認識処理のために今後の退職給付費用が負担となるのは確かである。ちなみに、06年3月期での日航の退職給付費用は561億円であったのに対し、全日空は212億円であった。

- 航空機などのリース料(6127億円)の簿外処理

6127億円という数字はリース料ではなく、リース資産又はリース債務額であると思うが、これも誤解を招く表現と考える。即ち、リース取引に係わる会計基準三1(2)において、所有権が移転しないファイナンス・リース取引については、有形固定資産とリース債務を認識するのではなく、リース料を賃借料として費用処理することが認められている。同基準において、賃借処理した場合には、有形固定資産とリース債務の残高や支払利息金額を参考として財務諸表へ注記することが求められている。この注記は行われており、問題視する必要はないと考える。

企業会計基準委員会は7月5日に新しいリース取引に係わる会計基準の試案を発表した。この試案は、ファイナンス・リースの場合の賃貸処理を認めないものである。この方向に進むと予想されるが、適用時期は未定である。有形固定資産とリース債務として認識した場合の影響については、06年3月期末の数字で日航の場合は資産3922億円、負債3993億円で特別損失71億円を認識することとなる。なお、全日空の場合は、資産1088、負債1140で特別損失52億円となる。

現状不適正と言える処理ではなく又新基準となった場合の影響が特に重大とまで言えないと思う。

- 繰延税金資産の資産性

06年6月末の連結貸借対照表で日航は繰延税金資産として流動資産で26億円、固定資産で483億円を計上している。2001年4月から青色欠損金の持ち越しは7年になったこともあり、最近の業績が損失であることを理由に繰延税金資産の資産性を疑うことは行き過ぎと考える。日航の財務諸表に新日本監査法人が適正意見の監査報告書を出していることから、繰延税金の資産性については疑いを持たないことでよいと思う。監査報告書にまで疑いを持つと、我々の市場そのものへの不安となるからであり、最後の砦であるから。

- インサイダー取引疑惑

町田徹氏は「増資発表前日の後場、わずか半日で1120万株と急増」と言っている。日経スマートチャートで見ると、売買高は

株主総会の6月28日8,237千株、29日14,498株、発表があった30日14,956千株、7月3日52,1617千株、4日24,098千株・・・といった具合である。

29日の取引高14,498株は、前後の取引高との比較でインサイダ-取引が関与しているとまでの量ではないと私は感じる。信用取引売り残は、29日が11,959千株で、30日に22,433千株となっている。もし、インサイダー取引が行われているとすれば、巧妙な手口でされていると思う。例えば、3月、4月頃に売却してしまうのである。(2)の私の分析によれば、遅かれ早かれ大株数の増資が必至である。増資による株価下落が予想できるなら、下落前でしかも疑いをかけられる心配の少ない時期を選ぶと思うからである。いずれにせよ、然るべき機関に結論は任せてよいと考える。

(5)今後に向けて

色々書いていると随分長くなってしまった。思うことは、日本のナショナル・フラッグと呼ばれた航空会社である。時代の変化と共にその対応は変えて行かざるを得ないが、多くの人々にサポートされる会社であり続けて欲しい。

書いている間に思いついたことも幾つかある。続編として、もう少し書こうと思います。(この種の分析はもうこれで止めたいと思いますが)

日航、全日空の(2)で示した第1四半期(06年6月末)の貸借対照表は会社法と貸借対照表の部の表示に関する会計基準(企業会計基準第5号)によっている。参考までに従来の資本の部と異なっている主要点を続きを読むに記載しておきます。

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2006年8月29日 (火)

会社パソコンの個人使用

日経BP IT Proで、面白い記事を読みました。

会社が“PC音痴”を見捨てる日 という日経コンピュータ副編集長によるコラム記事です。

「会社がパソコンを買うのを止めて,社員に買わせる。会社が一定額を支給する。パソコンの仕様も大まかなところまで指定する。後は社員が好きなパソコンを買って使う。」というやり方について書いてあるのです。

1970年代になって、やっと電卓が出てきた。それまでは、会社の中では、多くの人がそろばんを使っていた。いや、電卓があっても、最初の頃は足し算・引き算にはそろばんを使う人が多くいたと思う。当時は、そろばんは個人の物というケースも多かったのではと思う。

Windowsやインターネットなんて1990年代になってからです。その当時、個人は任天堂のTVゲーム機位で、PCは相当な趣味の人が持つような時代であった。今、あの当時は考えられなかったほどの高性能PCを会社で使っているし、個人でもほとんどの人がPCを持っており、しかも、自宅で光とかADSLの高速回線でインターネット接続を行っている。

PCを取り巻く環境は、10年そこそこで大きく変わった。日経BP IT Proの記事のように会社はPCを買わずに、個人PCを仕事にも利用する制度をとる企業が出てくるのだろうと思う。そうなっていくと、始業時間に出社しての勤務態勢ではなく、コア時間と、アポイントのある時間以外は自宅勤務を認めるとの勤務の形が出てくるのだろう。

企業の情報管理としての問題については、会社のPCを使用させるから大丈夫とは言い切れないはずで。個人が、自らの意志によりメール等で外部に出そうとしたら出せるはずだし、悪意があれば相当のことは出来る。だからこそと言うわけではないが、どの会社も社員の会社の電子データへのアクセスについては部署・社員による限定をしているはず。会社ネットワークに接続して使用しているPCを出張時に持ち出し禁止としている企業でも、あらゆるデータの持ち出し禁止とまでは出来ないはずと思う。情報管理に関しては、PCを会社が買うか、個人が買うかの結果による所有名義とは直接の関係がないと思える。

では、どちらがよいのだろうかということについて、他の要素を考えず税金の上だけで言えば、会社が購入すれば経費であり、個人に対してその相当額を支払えば会社は経費、個人は給与所得となり個人所得税と個人住民税が増える。細かく言えば、健康保険料と厚生年金保険料の負担も増える。(最も、厚生年金の将来受取額が増えることが期待できるかも知れないが)この面では、会社購入の方が有利と思える。

ウイルス問題、スパイウェア問題については、どうなのだろうか。確かに、個人の問題として会社が問題から逃れられる可能性はある。しかし、問題が発生して、例えば、会社のサーバーダウンとか、機密情報の漏洩が起こったら、結局のところ一義的に損失を受けるのは会社である。それに、その原因となったPCを特定出来たとして、不可抗力が関係していた場合は、どうなのだろうか?会社としては、これこれの対策ソフトを入れて常に最新版を維持するようにと社員に指示をしてセキュリティーの維持をせざるを得ないだろう。

色々考えると、現状でも良いのではないか。それぞれの企業風土にあったやり方で対応しているのが一番良いように思える。

でも、中小企業は大変だと思う。時代に取り残されてビジネスは無い。伝統的産業の様に他には絶対まねが出来ないと言うものを持っているのが一番強い。それをするのが楽しいとなると最高である。職人の世界が最高なのかも知れない。

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2006年8月28日 (月)

テロ対策

本日の日経の記事です。

首相「言論封殺許されない」・加藤氏実家火災に初めて言及

私もそう思います。「暴力で言論を封ずるということは決して許されることではない。」

同記事によれば、首相は「自身の靖国神社参拝がナショナリズムをあおっていることはないと思う。」と述べたとのこと。そうであるかどうかに拘わらず、言論に対する暴力の行使は、テロであり、断固として許してはならない。靖国神社参拝について小泉首相が「先の大戦でなくなられた方々のご冥福をお祈りするため。」と述べていることに関連して、言論封殺が日本の大東亜戦争に進んでいった歴史と大いに関係があったことを思い起こしてしまう。

1932年(昭和7年)の五・一五事件では犬養毅首相が殺害された。1936年(昭和11年)の二・二六事件では、岡田啓介首相以下6人の要人が狙われ、高橋是清蔵相、斎藤実内大臣、渡辺錠太郎教育総監の3人が惨殺された。「動機が正しければ」と言った同情感、政治不信それにテロへの恐怖が民衆の間に広まっていったことが、大東亜戦争への一つの道になったと思うのである。

今は、当時と全く様子が違うので、単純に比較してどうの、こうのと言うのは誤りだと思う。しかし、教訓とすべきことはあるし、歴史から学ばなければならない。ビジネスでも、私は過去の失敗を活かすことが成功の秘訣であると思っている。

加藤紘一議員の事務所・実家焼失事件が8月15日であったことから、2週間近く立つ。日経の記事を読んでも「首相が公式に同事件に言及したのは初めて」とのことであり、こんなことでテロ対策は大丈夫なのだろうかと思ってしまう。勿論、事件の動機、背景や犯行内容といった詳細は未だ明らかになっていないが、私はこの事件はテロであろうと思っているし、国内のテロ対策の見直しを行っておいて損はないと思うのだが。

実は、今朝の朝日新聞の「風考計」に放火への沈黙 「テロとの戦い」はどうした という若宮啓文氏のコラムが掲載されていたのである。小泉首相の発言は、若宮啓文氏のコラムを読んだからではないよねと思う。

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2006年8月27日 (日)

「堀病院」事件(その2)

昨日は産婦人科というエントリーで「堀病院」事件に関連して考えるべきこととして産科医療の現状を私なりに記載しましたが、本日もこの事件で言われている無資格診療について考えてみることとします。

堀健一院長他が25日に記者会見し、「患者や妊婦に不安を与え、深くおわびしたい」と陳謝したと報道されています。無資格診療についての言及がどうであったのか、知っていませんが、無資格診療とは、何であるのかについてこのエントリーでは考えてみたいと思います。

(1)保健師助産師看護師法

保健師助産師看護師法の違反として、神奈川県警は家宅捜索を行ったのですから、先ずは法律を見ておく必要があります。その第1条に法律の目的が規定されており、この意味は私にも十分理解できます。

第1条  この法律は、保健師、助産師及び看護師の資質を向上し、もつて医療及び公衆衛生の普及向上を図ることを目的とする。

問題となっているのは、次の第3条と第5条です。

第3条  この法律において「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。

第5条  この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。

実は、解ったような解らないような文章なのです。但し、今回の議論については、第37条も読んでおいた方がよいと思うのです。

第37条  保健師、助産師、看護師又は准看護師は、主治の医師又は歯科医師の指示があつた場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をしその他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応急の手当をし、又は助産師がへその緒を切り、浣腸を施しその他助産師の業務に当然に付随する行為をする場合は、この限りでない。

(2)厚生労働省医政局看護課長通知

ところで、看護師は妊婦の世話が全く出来ないのか、ある程度は出来るのか法律を読んで、解らないので、どうするか。昨日、私は法律の解釈は司法(法廷)でないと最終的には決められないと申しました。その通りなのですが、第3条、第5条を読むと厚生労働大臣の免許を受けてとあり、例えば、第14条第1項に次のような条文もあります。

第14条①  保健師、助産師若しくは看護師が第9条各号のいずれかに該当するに至つたとき、又は保健師、助産師若しくは看護師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めてその業務の停止を命ずることができる。

厚生労働省は助産師、看護師等の免許を与え、取り消すことができる権限を持っており、この業務を行うためには、第3条及び第5条の助産師及び看護師の業務の範囲についても厚生労働省としての統一見解を持つこととなります。持っていなければ、保健師助産師看護師法に関する厚生労働省としての仕事が出来ないことにもなるからです。

昨日のエントリーの(4)の緑部分の冒頭の平成14 年11 月14 日付けの文書とは、厚生労働省内部の文書です。何を言っているかというと、次の通りです。

表記について、別添1の鹿児島県保健福祉部長からの照会に対し、別添2のとおり、回答したので御了知の上、貴管下の病院、診療所への周知徹底及び指導方をよろしくお願いしたい。

-------------------------------------------------------------------------

別添1

下記の行為については、保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)の第3条で規定する助産であり、助産師または医師以外の者が行ってはならないと解するが貴職の意見をお伺いしたい。

(1) 産婦に対して、内診を行うことにより、子宮口の開大、児頭の回旋等を確認すること並びに分娩進行の状況把握及び正常範囲からの逸脱の有無を判断すること。

(2) 産婦に対して、会陰保護等の胎児の娩出の介助を行うこと。

(3) 胎児の娩出後に、胎盤等の胎児付属物の娩出を介助すること。

------------------------------------------------------------------

別添2

貴見のとおりと解する。

長くなってしまってお詫びします。(これらの文書は日本産婦人科医会ウェブhttp://www.jaog.or.jp/JAPANESE/jigyo/TAISAKU/kome0410.htmから取りました。)

助産師、看護師の第3条、第5条の解釈については、法廷で争われてないし、法廷で争うとしても単純に線引きをすることが出来ないから、やっかいです。当事者間で問題が発生しないなら、法廷に持ち込む必要が無いと言えます。うまく機能しているなら、それで皆Happyであり、わざわざ問題を起こす必要もないからです。

(3)日本産婦人科医会の要望(見解)

昨日も引用した日本産婦人科医会の文書(日本産婦人科医会2005年9月5日づけ産科における看護師等の業務について)が産婦人医会の意見であり、2004年9月13日にも同様な医政局看護課長通知があり、日本産婦人科医会は2004年10月8日に要望書(看護課長通知「産婦に対する看護師業務について」に対する要望書)を提出しています。

(4)私のコメント

以上を読んで頂いた人には、「看護師の仕事でこれが無資格診療だ。」と決めることの困難さをお解り頂けたと思います。

最も重要なことは、第1条の「医療及び公衆衛生の普及向上を図ること」であると私は考えます。そして、我々が安心して医療を受けられる制度を維持、発展させていくことであると私は考えます。助産師・看護師の仕事の内容も、時代と共に変化すると思っております。医療機器の進歩もあるでしょうが、医師不足、助産師不足の解決の方法として人の養成も必要ですが、医師・助産師・看護師が良い連係を保ったチームワークでコメディカルとして仕事をしていただくことも重要なことと思います。

「厚生労働省に任せておけば」とか「私には何もできない」或いは「私の問題ではない」というのは、危険な気がするのです。又、マスコミに惑わされることにも気をつけた方がよいと思うのです。「本質を突かないさも解ったように発言するTVのコメンテーター」と言った人もおります。

安心できる医療を求めていきたいと思います。法は、国民のためにある。法の制定は国会である。そして法のなかには国民の生活や活動に直接関係するものも多い。法を解釈し、法の正しい運用を行うのは、最終的には国民であると私は考えます。主権在民の下に、良い医療、安心出来る医療を求めていきたいと思います。

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2006年8月26日 (土)

産婦人科

横浜市の堀病院における保健師助産師看護師法違反容疑で同病院の家宅捜索を24日に神奈川県警が行ったと報道されています。

第一報は各社とも家宅捜査の事実と警察情報を中心とした容疑の内容についてである。新聞、TV等のメディアによる報道は、事件発生時において問題を深く掘り下げることが難しい面はある。しかし、問題の本質を見誤ってはならない。そこで、今回は産科医療の問題点を私なりに突っ込んで見ます。

(1)医師、医療従事者不足と分娩施設の減少

多分一言で言えば、不足という言葉につきるのだろう。日本産科婦人科学会が行った全国周産期医療データベース(平成17年12月1日現在の状況に関するアンケート調査)によれば、日本全国の分娩施設数は病院数が1273、有床診療所数が1783の合計3056で、その他に自施設で分娩を取り扱う助産所が263。合計3319である。現実にはその後も減少しているとみこまれることから、現在は3000程度と調査結果では予想しています。

分娩施設は最近減少傾向にあり、最近の増減数は、平成17年9月5日厚生労働省審議会の日本産婦人科医会による資料によれば以下の表の通りです。

  平成14年度 平成15年度 平成16年度 合計 合計
  病院 診療所 病院 診療所 病院 診療所 病院 診療所
新規開設 5 23 4 10 6 25 15 58 73
分娩とりやめ 13 48 25 76 38 71 76 195 271
減少数 8 25 21 66 32 46 61 137 198

全国周産期医療データベースは、分娩に関与する常勤医師数は、大学の医員を常勤医に含めて合計を行った結果で7873名で、従来考えられていたよりもはるかに少ない人数であると述べています。

同データベースによれば、有床診療所の常勤医数は1名の施設が1214(68.7%)、2名の施設が452(25.6%)、3名以上の施設が99(5.6%)であります。常勤医1名の施設で24時間対応が必要な分娩の取り扱いを行うことは激務であり、中止する施設も増加しつつあると考えられるとのことです。ある医師の話ですが、開業産婦人科医は高齢化が一番進んでいるらしいです。60代が多いと。

(2)産科医師の激務

産科医師の激務は、(1)の不足により激務となっていると言えるし、激務であるから産科医師のなり手がいない。逆に廃業される方がおられると、どちらが鶏で卵と言う関係ではあるが、悪循環に陥っているのが現状と私は理解します。(1)の不足を止めるためには、産科医師希望者が増えるようにしなければならない。それと大事なことは、医師を育てるには、長い年月を要するし、その為の費用もかかることです。不足したから、XXから緊急輸入とは行かないのです。国家試験に合格した後にも経験を積んで一人前の医師になっていくのです。

どの程度の、激務かは私自身が産科医ではないので、私が説明するより、本年4月25日の衆議院厚生労働委員会における横浜市立大学附属市民総合医療センター母子医療センター産科現場責任者の奥田美加先生の発言(これ)を読んでいただいた方がわかると思います。3Kとは今や産科医のためにあると言った感じです。なお、この発言を国会図書館の議事録からも入手できますが、 厚生労働委員会議事録17号の7~8ページです。

いつ生まれてくるか分からないし、陣痛から分娩までの時間も様々である。周産期(分娩周辺期)は決してリスクがゼロとは限らない。以下の表は、他国の数字も記載してあるが、前掲の表と同じく平成17年9月5日厚生労働省審議会の日本産婦人科医会による資料に週産期統計として掲載されていたものです。24時間体制の分娩管理があるから、母子共に安心できる、父も頼れるという状態が得られていると思います。

国名 妊婦死亡率
出生 10万対
新生児死亡率
出生 千対
周産期死亡率
出生 千対
総医療費/GDP
の世界順位
日本 2003 6.1 1.7 3.6  
1999 6.1 1.8 4.0  
1998 7.1 2.0 4.1 17位
1997 6.5 1.9 4.2  
アメリカ 1999   4.7   1位
1998 7.1   5.1  
フランス 1999   2.9   5位
1998 10.1      
1997   2.7 7.1  
スウェーデン 1998 7.9 2.3 5.2  

日本が、どの数字においてもトップ。すごいです。その陰には、これを支えてこられた医師、助産師、看護師、その他多くの医療関係者がおられるわけで、過酷な勤務をしいて折角築いた良い状態を壊したくない。人手不足だからと中止できない産科医の仕事を理解しなければならない。以下は、日本産婦人科医会2005年9月5日づけ産科における看護師等の業務についての中にあった文章です。

新卒医師は毎年約8.000 人、このうち産婦人科に進む者は300 人で、そのうち女性医師が半を占め、時間が不規則な産科を希望しない。従って加重労働と医療訴訟の多い産科(周産期医療)に進む者は僅かに80 人程度である。

(3)医療過誤、医療訴訟

「医療過誤に関する訴訟の3割以上が産婦人科関連であることが、多大な心理的、経済的負担を生み、このことが新たに産科を志望する医師の減少を招いている。」と記載しているのが、厚生労働省、総務省及び文部科学省の課室長級の人達と日本産科婦人科学会、日本病院会他が加わっての小児科・産科における医療資源の集約化・重点化に関するワーキンググループ取りまとめ(平成17年)です。

更には、刑事事件となることがある。本年3月10日に福島県立大野病院の産科医の加藤医師が、業務上過失致死及び医師法違反の罪に問われ、起訴された。この事件で女性が亡くなったのですが、この亡くなった女性の帝王切開手術に際し、胎盤剥離を中止して子宮摘出手術等に移行せず、クーパーを用いて漫然と胎盤の癒着部分を剥離した過失により、大量出血により失血死させたというのが起訴事実です。

加藤医師を業務上過失致死(刑法)に問えるのか、起訴をすることが正しいのかと言う問題です。「医師でもない警察や検察が最もらしい過失行為を挙げて犯罪と言えるのか?結果論を勝手に言ってるんではないのか?」と私などは思うのです。医療中の事故と医療過誤の違いは、簡単とは思えないし、又、過誤があったからそれが刑法上の犯罪とできるのはよっぽどの場合と考えます。

医師の方は皆さん不当な起訴だと言っておられます。ここに7月21日の第一回公判前整理手続き時に弁護団が出したプレスリリースがあります。人によっては、弁護団のプレスリリースのみ読んでも片方だけの意見だから役に立たないと思われるかも知れませんが、私は、このプレスリリースの内容は、事実を正確に述べていると思っています。日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会のこの事件についての発表文もここにおいておきます。

警察的発想からすれば、「被害者(死亡者)がいれば、加害者がいるはずだ。正義の警察は犯人(加害者)を挙げねば。」となるのかも知れない。しかし、医療とは常にある意味では死と隣り合わせでいるわけで、最善を尽くしても残念ながら亡くなることがある。様々なことが重なって診断が困難なこともある。幾つかの治療方法が考えられることもある。一旦方針を決めても、それを刻々と変化する状態に応じて、変えねばならない。大変である。

最近の事故に、ふじみ野市プール事件とクレーン船送電線損傷事件があった。この2つの事件は、結果が想定されていた。(プール事件では針金で蓋を結んで使うなんてとんでもない。クレーン船は、送電線にぶつかることが判っていながら、クレーンを上げて進んだ。)業務上過失致死(クレーン船の場合は、死亡者がいないが)となっても納得がいく。結果が予想されるにも拘わらず、対策があるにも拘わらず、それを怠った。医療でも患者取り違えで死亡すれば業務上過失致死である。誰が見ても、重大な過失があると判断されれば業務上過失致死であるが、選択肢の多い医療の現場で、警察・検察が介入することは慎重な判断で行う必要があると私は思う。

(4)横浜市の堀病院における保健師助産師看護師法違反容疑について

直接的なコメントは差し控えますが、看護師による内診については、日本産婦人科医会2005年9月5日づけ産科における看護師等の業務についての中で次のように書かれています。

医政看発第1114001 号;平成14 年11 月14 日)にて厚生労働省医政局看護課長より鹿児島県保健福祉部長宛てに回答が送られた。①産婦に対して、内診を行うことにより、子宮口の開大、児頭の回旋等を確認すること並びに分娩進行の状況把握及び正常範囲からの逸脱の有無を判断すること。・・・・・以上の行為を看護師はしてはならない。

これまで、厚労省医政局長通知により禁止されていた看護師による静脈注射が、同じく医政局長通知により平成14 年、医師の指示の下に看護師も実施できる診療の補助行為の範疇として取り扱うこととなった例もある。内診は静脈注射よりもはるかに侵襲が少ないと考える。従って、分娩進行に伴い異常の発生する可能性を常にはらんでいる産科医療において、少ない人的資源を有効に活用し安全で快適な経過を得るためには医師、助産師、看護師の協調が不可欠であり、この見地からも分娩第Ⅰ期の経過観察に看護師の関与を認め、医師の管理下での内診を診療補助行為とみなすことを希望する。

即ち、通達において厚労省が、看護師はしてはならないとしており、明確な保健師助産師看護師法違反とまでは言えないのかも知れない。法に違反しているかどうかは、政府の判断ではなく司法の判断である。それと、昨年9月に日本産婦人科医会は看護師による検診を要望していたのだ。

看護師による検診を要望したのは、医師不足・助産師不足を医師・助産師・看護師のコメディカルで対応せざるを得ない現状からだとしている。助産師不足について同文書では以下のように述べています。

分娩(入院時の内診から分娩経過診察、分娩介助を含む)は必ず医師・助産師が担当するとすれば、その医療機関の分娩数に係らず、3交代制で実施する場合は延べ21 人/週であり、外来における妊婦検診(産科計測など)を担当する助産師・休暇(週休2 日所制)を含めて1 医療機関につき少なくとも約6~8 人以上の助産師が必要となる。しかも、助産師が2 人ペアで勤務することとすればさらに増加する。仮に、1 人で勤務するとしても、全国分娩取り扱い施設は6,473 施設で、必要な助産師数は51,784 人のところ、現在届け出されている産科施設就業助産師数は23,819 人で27,965 人不足となる。

これを読んでいると、堀院長は、県警の調べに対して開き直っていると簡単に批判して正しいのだろうかと疑問を持ってしまう。妊婦がいて出産になれば産科医として助けざるを得ない。医師の仕事は、自らがセールス活動を行えない仕事である。一方、医療行為を拒否することは出来ない。そんな仕事である。

堀病院の神奈川県警の捜査について、モトケン弁護士のブログに書かれた産科医のコメントをご本人及び関係者からの承諾を得ていないのですが、医師のコメントとして続きを読むの部分に勝手に掲載させて貰います。

産科、小児科が日本で今一番医療崩壊が進んでいると言われている。医療崩壊が生じれば、国民が困るのである。そして崩壊をくい止める手段を講じても、その効果が現れるのは相当の年月を経過してからである。この現実を正しく認識する必要がある。税金を使ってでも医療崩壊をくい止めることも検討すべきかも知れない。医療崩壊が生じたとき、そのしわ寄せは一番弱い者、貧しい者に来る。政治家が自分の票のために小さい政府と言うとき程、恐ろしいときはないのかも知れない。

又、関係するブログのリンクを以下においておきます。

元検弁護士のつぶやき・無資格の助産行為医療崩壊に対する制度論的対策について(その2)医療崩壊に対する制度論的対策について

ある産婦人科医のひとりごと・神奈川県警による堀病院強制捜索に関して

東京日和@元勤務医の日々・警察とマスコミが産科医療を滅ぼす]助産師不足

勤務医 開業つれづれ日記・国の産科 絶滅政策

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2006年8月25日 (金)

冥王星(続報)

国際天文学連合(IAU)の総会で、5Aと6Aが採択されました。IAUのプレスリリースはここにあります。5Bと6Bを含む原案の全ては、私の昨日のエントリーの続きを読む "冥王星"の部分にあります。

なお、採択された5Aと6Aの日本語訳は国立天文台 アストロ・トピックス (233)を読まれるのがよいと思います。(原文を専門家の方が訳された文章であり、変な報道記事のようにバイアスがかかっていないので、私はこちらの方が好きです。dwarf planetを矮(わい)惑星なんて訳した報道もありますが、国立天文台の文章はdwarf planetSmall Solar System Bodiesは英語のままとなっており、未だ日本語訳は決まっていないようです。)

昨日は私も真相解明に努力をし、私なりの解説を行ったのですが、この冥王星に関することについては、国立天文台ホームページ等を参照されるのがよいと思います。

ちなみに、今回の国際天文学連合の総会決議において惑星の定義を行うことになったことについて、国立天文台は次のように説明をなさっています。

8月14日からチェコのプラハで開催されていた国際天文学連合(IAU)総会は、最終日の8月24日、太陽系の惑星について決定しました。これは海王星・冥王星より遠い小天体が最近多数発見されていることなどにより、これまでの太陽系像を改定する科学的必要が生じたもので、2年近い討議と特別委員会での検討、今回の総会での熱心な科学的討議により決定されたものです。

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2006年8月24日 (木)

冥王星

冥王星が惑星ではなくなると話題になっている。

冥王星とは、ギリシャ神話のプルート(ギリシャ語でハーデス)から付けられた名前で、冥界(死者の世界)の王である。9つの惑星の中では一番新しい発見であり、1930年に米アリゾナのローウェル観測所のトンボー氏が発見した。大きさは月より小さい直径2320 km。(ちなみに月の直径は3476 kmで、重量(重力など関係ないから本当は質量)は月の18%) 

ところで、カイパーベルト衛星(Kuiper Belt Objects - KBO)と言うのを、ご存じでしょうか?1992年にハワイ大学のJewitt氏とカリフォルニア大学バークレーのLuu氏がハワイ・マウナケア山の2.2m望遠鏡で最初のカイパーベルト衛星QB1を発見し、その後多くのカイパーベルト衛星が発見されているのです。なお、海王星より遠いところにある衛星をカイパーベルト衛星と呼び、木星と海王星の間にある衛星をケンタウルス衛星と呼んでいる。どれくらいの数が発見されているかというとをList Of Centaurs and Scattered-Disk Objectsを見て下さい。発見されていないのが大多数であるが全部で70,000個以上あるだろうと言うのだ。冥王星をカイパーベルト衛星と呼んでも、不自然ではなくなってしまったのです。

恒星(Star)とは太陽のように自ら光る星。惑星(Planet)とは恒星を回る星。衛星(Satellite)とは惑星を回る星。もし、このように整理すると、実はハレー彗星のような彗星(Comet)や小惑星(Meteor Astronomy)も良く知られている。何を惑星というのか、何故9つの天体(水金地火木土天海冥)を惑星と呼んだのか、訳もわからずに呼んでいたように思える。

以上が、国際天文学連合(IAU - INTERNATIONAL ASTRONOMICAL UNION)が本日惑星の定義について決議しようとしている背景である。決議案そのものは、下の続きを読むに入れておきました。(出所:IAUホームページ)

実は、私はこれを読んで、4つの決議案の全てが採択されても、矛盾を感じないのです。少なくとも5Aは採択されるのでしょう。従い、以下で間違いないと私は思っています。

(1)太陽系の惑星は8つである。(5Bが採択されれば、古典的惑星と呼ぶこととなる。)

(2)太陽を回る天体は、惑星(planet)、小惑星(dwarf planet)、太陽系小天体(Small Solar System Bodies)の3分類となる。(訳は私が勝手に行っているので、正式日本語名とは限りません。)

(3)冥王星は小惑星(dwarf planet)に含まれる。

何故か、新聞やTVの報道は私の上記の見解とは異なっているのが多そうである。報道が正しいか私の説明や見解が正しいか、皆さん是非チェックしてみて下さい。私に誤りがあった場合は、厳しいお叱りをコメントに書き込んで下さい。

ビジネスでは、報道をそのまま信じるのではなく、その情報源にまで遡って調査することが重要であり、勝ち抜くために必要なことであると考えております。

各新聞社の表題及び記事を以下に列挙しておきます。クリックすれば、それぞれの記事が開きます。降格なんて嫌な単語を使っている会社がありますね。

朝日:冥王星降格案が基本、惑星定義最終4案 24日採決

日経:「冥王星」降格に対抗案・国際天文学連合

毎日:太陽系惑星:冥王星除外で最終調整 IAU、今夜全体会合

産経:冥王星、格下げか 太陽系惑星、今度は8個に

読売:天文学連合会長、惑星数で2案提出へ…8個と11個

共同通信:惑星定義で2案採決へ 冥王星残す対抗案も提案

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2006年8月23日 (水)

サラ金(その2)

昨日に引き続き本日もサラ金について。

先ずは、読売新聞の生活保護対象高齢者向け、自宅担保の貸付制度-死後、売却金で返済…厚労省方針を読んで、生活保護について私の認識が誤っている部分があったことに気が付いた。「資産価値が2300万円以下ならば、自宅を所有したままでも生活保護を受けることが可能」と言うのを知らなかった。

そして、本日の朝日新聞の特集記事です。ウェブでは見あたらなかったが「最後のセーフティーネット・生活保護はいま」という表題で、この特集によると、大阪府の元塗装職人(59)は3年前の夏、建設不況などで仕事が激減し、持病も悪化したがお金もない。福祉事務所を訪ねたが、職員からは「50代だから仕事が見つかるはず。」と、生活保護の申請書すら貰えなかった。数日後、消費者金融で10万円を借り入れ、そのうちに借金は6社で220万円に膨らんだ。そして、市民団体の助けを借りて月約12万円の保護需給がかなったのは約1年後だった。借金は自己破産で整理したが、持病の治療を中断した間に悪化した。

サラ金(消費者金融を、こう表現しておきます。)にとっては、債務者が自己破産されたら結局は貸し金利率が高くても割に合わない。本人にとっては、病気が悪化して、何も良いことは無い。収入の無い人が借り入れても、返済の目途はない。しかもサラ金金利だったら、深刻さを増すばかりである。

8月 8日のエントリー「「労働経済の分析」(労働経済白書)」の一番下の第3-2-24図を見れば、生活保護世帯の数・割合が1996年頃から増加しているのが分かる。政府の財政も苦しいから生活保護の対象者をなるだけ減少させねばならないと言うことから、福祉事務所も厳しい対応を迫られているのだろうが、法が定めている扶助を行えないことになってはならない。多分、対象者が増加しているのに事務所の人員は増えない。細かい対応をしたくても、しきれないという現実もあるのだろうと推察する。

思ったことは、福祉事務所が生活保護の開始決定前の相談者にローンを斡旋できたなら、少しは解決出来る範囲が広がるのではないかということである。生活保護を受けられないかと相談に来る人は、偽名では生活保護など受けられないから、基本的には財産の額を正しく申告するのであろうし、福祉事務所は申請者が受給資格があるかを調査することから、合理的に運用できると思う。

ローンについて福祉事務所が斡旋と書いたのは、福祉事務所が社会福祉法により設置された事務所で生活保護法により生活保護の実施を行う機関であることから、ローンを自ら行うには法律的制約のあることが考えられたからで、福祉事務所が直接行っても良いし、市町村が行っても良い。少なくとも、民間が行うより公的な福祉サービスを必要に応じてきめ細かく提供できると思うし、生活指導、就労指導等は民間が実施することには困難がつきまとう。それに、生活保護受給資格者でなくとも、そのボーダーライン近くにいる人に対して、サラ金であれ、銀行であれ融資リスクを取ることは困難と思う。(なお、市町村保証により銀行が融資を行うという変形は考えられる。しかし、リスクの面からは同じなので市町村としておく。)

政府、県、市町村が実施した方が好ましい事業もあれば、民間が実施した方が効率的な運営となり好ましい結果となる事業もある。福祉事務所や市町村が低所得者向けローンに関係すれば、生活指導、就労指導にしても貸付の際、返済が滞った際に適切なサービスが可能と思う。又、生活保護の受給審査を適格にすることにも役立つと思うので、不正受給の防止対策にもなると思うのだが。

勿論、リバース・モーゲージローンも組み合わせれば良い。農業人口の大きかった時代は、農地とその為の住居は子孫に残さねばならない財産であった。だから、子供も親の世話をした。読売新聞の記事に「生活保護を受けていた高齢者の死後、面倒をみなかった子供らが自宅を相続するのは矛盾している」との記述があるが、その通りで納税者の立場からすれば財産を保有している人への生活保護はリバース・モーゲージローンとの組み合わせが当然だと言いたい。なお、読売新聞の記事に触れられている資産価値1000万円の下限は、余り意味がないと私は思う。何故なら、扶養義務者がいないか、いても義務を果たせないのだろうから相続権の放棄というか、相続財産が需給を受けた生活保護費と相殺される制度にする方が合理的ではないかと思う。

細かいことになると種々の検討を要すると思う。そこで、昨日のエントリーで、私はサラ金のコンサルタントは無理であろうと書いたのだが、公的な生活資金ローンについて市町村に対してコンサルタントをするのであれば、出来そうな気がした。どうせ売れない経営コンサルタントだから市町村向けのこの種のコンサルタントだったら特別価格で実施しても良いだろうと思った。

なお、第3-2-24図と読売新聞の記事にある保護率が異なるのは、第3-2-24図がパーミルで1000分の1となっていることと、世帯率と人口率の差であると思う。

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2006年8月22日 (火)

サラ金ビジネス

私はサラ金業者のコンサルタントをしたことはなのだが、多分サラ金業の方々からも、売れない経営コンサルタントなどに依頼するほど落ちぶれてはおらんぞと思われておられるはずだし、依頼は来ないだろうし、そんな生やさしい業界ではないと思っている。

先ずは、この7月27日のYahoo Newsをご覧になって下さい。そして、このニュースに関連してひろ子弁護士が書いておられるこのブログを見て下さい。

サラ金は出資法の上限利率(年利29.2%)で貸し付ける。結果、百万円借りたら1年で30万円の利息だから、借りた人は直ぐに貧乏になると思うのですが。借り進んで、ある時点で、弁護士に相談に行くというパターンがある。そこから利息制限法の最高限(元本100万円未満は年18%、詳細は下の続きを読むをクリックすると利息制限法が出てきます。)を超えて支払った利息を取り戻すこととなる。

当然弁護士が出てきたからとサラ金業者が簡単に超過分の利息を返還してくれるわけではない。訴訟に持ち込まねばならない。そうすると、裁判所から被告であるサラ金業者に訴状が送達される。被告であるサラ金業者は,口頭弁論の期日までに,訴状に記載された事実関係の認否や事実・法律問題に関する主張を述べた答弁書を裁判所に提出することなる。ところが、この答弁書は何と前日の深夜に届くようにサラ金業者はすると言うのである。しかも、その内容は、ひろ子弁護士によれば、「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。おって答弁。和解希望。代理人選任予定なので次回期日は2か月ほど先に…」との紙一枚と言うのだから、私だったら頭に血が上ってどうしようもなくなるかも知れないと思う。

Asahi Comのこの週刊朝日の記事紹介によれば、管轄する裁判所をとんでもなく遠いところにしたりと私にはとてもここまで知恵は回らないなと思ってしまう。

結局、やはり私にはサラ金に対するコンサルタントは能力もないし、そこまで徹底して全てをやれないしと言うわけで無理である。かといって、サラ金地獄におられる方のお力になるには、訴訟という武器をもっておられる弁護士にご活躍いただいた方が良いはずである。ちなみに訴訟にかかる裁判所の費用(弁護士費用等を除いて直接裁判所に納める印紙代)は、通常は数万円と思う。そうすると、一方で、税金で差額が賄われているのかしらと疑問を持ってしまった。

なお、最高裁の本年1月の判決はこれであり、広島高裁に差し戻しています。(何と、私の8月21日のエントリー終身刑で引き合いに出した刑事裁判と同じ結果です。)

又、ひろ子弁護士のブログで知ったのですが、米GEは電気製品を製造しているだけではなくあらゆることをしていることを私も知っていたのですが、日本ではサラ金までしていたんですね。これは知らなかった。

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フタタとコナカの株式交換

コナカとフタタの発表があったが、フタタとコナカの株式交換について8月19日に両社の取締役会で決議され株式交換契約書が調印された。また、締結した株式交換契約書の内容もEDINET(コナカ)で発表されている。

契約書は、その第10条に停止条件が規定されており、「第6条に定める甲又は乙の株主総会の承認が得られない場合、その効力を失うものとする。」と記載されている。第6条の株主総会の予定日は11月15日であり、株式交換の効力発生日は第5条の平成18年12月15日の予定である。

株式交換における株主総会の承認はフタタとコナカの両社とも会社法309条②十二により過半数出席で、その3分の2以上の多数による決議を必要とする。(フタタは会社法783条①。コナカは会社法795条。)(注参照)

そこで、果たして3分の2以上の多数による承認に両者とも問題がないのであろうかと考えた。

まず、フタタであるが、Asahi Comのフタタ、経営統合はコナカと 完全子会社化を決定によれば創業者二田一族の保有が約40%を保有しているとのことであり、フタタのコーポレートガバナンス報告書によればコナカが20.2%を保有している。二田一族は、この株式交換に合意した上での19日の取締役会であったと了解するゆえ、フタタにおける承認は問題ないと考える。

コナカの株式を有価証券報告書(9月決算故、今年3月の半期報告書)によれば、湖中 謙介が6.15%の株式を保有し、その他湖中一族と思われる人々も大株主としてあがっているが湖中一族全体とフタタの保有株数1.23%をあわせてどの程度になるのかわからなかった。おそらく一般株主の動向に左右される部分があるのであろうと予想する。すなわち、今後コナカ経営陣が3分の2以上の多数による承認を得るために、この株式交換の利益について今後どのように説明を行っていくのか興味があるところである。

株式交換によりフタタ株23株に対しコナカ株10株を交付して交換するのである。結果、コナカは株式交換時の株数24,702千株(自己株式は無視して)が株式交換により6,444千株増えて31,146千株となるのである。(26%増)コナカの平成17年9月の経常利益が4,043百万円であり、この26%は1,051百万円となるが、フタタの経常利益はここ3年間その10分の1の100~150百万円であった。従業員の労働意欲、顧客の確保等も関係することから単純ではないが、シナジー効果を含めコナカ経営陣にはフタタとの株式交換についての一般株主への説明が必要である。

(注)株式交換完全親会社の場合、会社法796条による簡易組織再編の可能性もあるが、上記の計算のように増加株式が26%であることから、会社法796条③の金額による計算を行っても20%以下とはならないと判断するし、冒頭の発表においても株式交換契約承認株主総会は両社としており、簡易組織再編には該当しないと判断しました。

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2006年8月21日 (月)

ワニは魚だっけ?

ボツネタ(岡口基一裁判官)に「オーストラリアでは,ワニが「魚」になったようです。」というのがあった。その記事は、Excite Newsの世界びっくりニュース「ワニは魚である」、オーストラリア議会で決定 であった。

そこで、ロイターの元の記事を探し出して発見したのがこれである。

内容は、同じなのですが、どう思われましたか?

ところで、ロイターの元の記事はCrocodileと言っています。Alligatorは、そうするとどうなのかな?オーストラリアは全てCrocodileなのかな?と馬鹿なことを思いました。手元の辞書を引くと、Crocodileの方が大きいワニを指すようですね。

でも、ワニの輸出規制をするのに、何故ワニとして規制しないのか、わざわざ魚とするのか私には分かりませんでした。日本人にとっては、ワニは絶対に魚ではないだろうな~て思うのです。なぜなら、食べたいと思わないから。

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終身刑

毎日新聞に闘論:終身刑の創設 土本武司氏/海渡雄一氏との記事があった。

皆さんはどう思われるのだろうか?

死刑判決を下す裁判官、死刑執行を行う執行官にはなりたいとは思わない。でも法のためなら、そうせざるを得ないのですよね。

死刑、終身刑について何故か今年のある時期から私は入り込んでしまったみたいである。そのきっかけは、光市母子殺人事件という事件で、その当時私は知らなかったが、事件で妻と子供を失った被害者の夫であり父親である本村氏がTVにも出て犯人の死刑を叫んでいた事件です。

実は、私がこの事件を知ったのは、最高裁が異例とも言える弁護士を非難する意見表明を出したということからです。非難は弁論期日に出頭せず、弁論が開かれなかったからで、弁護士はオーム裁判でも有名な安田弁護士だったことから、安田弁護士非難が多く聞かれたのです。この事件は、一審、二審とも無期懲役で、被告はこれを認め、検察が最高裁に死刑を要求して告訴していました。安田弁護士は前任の弁護士から引き継いで2週間余りで、事件記録の精査もできないし、当日は別件が入っているとのことで弁論期日を3ヶ月延ばしてほしいと申し出ていたのでした。

補足説明が必要なのですが、実は最高裁が弁論を開くことは極めてまれなのです。刑事事件の場合は、死刑判決の場合と控訴審の判断を覆す場合が通例なのです。検察が最高裁に控訴してから2年ほど経過していたと思います。それなのに、一人の人間を死刑にするのに3ヶ月待てないのは、最高裁の権威主義ではないかとの考えの方も多くおられました。だから、刑事事件に詳しい多くの人は、この時から死刑判決を予想していたのです。

結局1回だけ、4月18日に控訴審が開かれ、6月20日に無期懲役の判決を破棄し広島高裁に差し戻す判決が出ました。また、これだけだと、上に書いた死刑判決の予想とは異なるではないかとなるのですが、実質死刑判決と私は思っています。

判決文については、ここをクリックするとPDFで出てきます。判決文の読み方については、モトケン弁護士の矢部善朗氏がブログで判決文の感想をここに書いておられますが、弁護の余地は非常に少ないのです。

残虐な事件であったのはその通りなのですが、この事件を通じて私が知ったことは、本村氏が「無期懲役だと、少年の場合は7年で仮釈放があるから、出てきたたら自分が殺してやる。」とTVで話していたということです。私は、直接TVを見たり聞いたりしていないのですが、本村氏の主張にマスコミや多くの人が同調してこの犯人の死刑を望んだのは事実と理解しています。

7年の仮釈放は、少年法58条①一で可能とされていることであり、刑法28条の無期懲役10年より短いので、7年もありうると言うわけです。

さて、「出てきたたら自分が代わりに殺してやる。」は、フーテンのトラの台詞「それを言っちゃーおしまいだよ。」である。他人をうらむことはあるが、そこまでうらむと不幸そのものではないか。そんな不幸には、なりたくない。刑法28条や少年法58条の無期懲役に対する仮釈放の期間の延長、終身刑の導入で不幸を少なくすることができるなら、それも解決ではないかと私は思ったのです。

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弁護士

法は重要である。法により現代の社会は成立しているのである。法は正義(とまで言うと、言い過ぎかも知れませんが)であることから、自分の正義を守るために法に関して自分の力になってくれる弁護士は重要である。

落合弁護士のブログ「弁護士のため息」の20日のロースクール生の悲劇ーその2にロースクール生の書いたブログ唖然とした話し(このロースクールにオヤジ受験生がいない理由)が紹介されていた。

法そのものは活字であり、これを運用するのは人間である。その解釈や運用は、紙の上や過去の判例のみで出来るものではなく、社会や人生についての深い理解も必要であると私は思っている。このロースクール生の話しが、どこまで真実か(下位のロースクールはそうであろうとのコメントもありますが)は、分かりませんが、年齢を基準とするのであれば、むしろ高年齢者に門戸を大きくするロースクールがあっても良いのではないか。社会経験豊富な新人弁護士、検察官、裁判官が多くなることは歓迎すべきことかなと思いました。折角ロースクールの制度を始めたなら、色々あって良いのだろうと。

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会社法

8月7日に会社法施行後の四半期報告について書いたが、会社法に関連して又少し書いてみようと思う。

随分前と言えるが、5月1日の会社法施行日にNHKニュースで「今日から会社のあり方が、大きく変わりました。」と読み上げられていた。私は、一瞬耳を疑ったのである。「少し変わりました。」という程度が適切と思うのに、「大きく変わった。」などというと知らない人は本当にしてしまう。実体を誇張して混乱を招く表現のニュースかなと思った次第である。

そのニュースの内容は単に1円から株式会社が設立できると伝えただけである。商法第2編、有限会社法及び商法特例法その他の法律を会社法として一つの法律として制定したとの説明が私にはよっぽど分かりやすいのだが。その結果、会社法以前の状態は原則として継続され、柔軟性(フレキシビリティ)が増大したとの説明が私には最も単純明快である。

例えば、最低資本金1円にしても柔軟性の増加である。株式会社の株主有限責任と債権者保護の調整として法による規制については、最低資本金による規制ではなく、配当制限による規制が合理的と考える。会社法458条で配当金の支払は会社の純資産額が3百万円を超える場合に限定したのは、旧有限会社法の最低資本金と同額としたことと思う。いずれにせよ、資本金の金額のみで会社の信用力は測定できず、一点のみで判断することは誤る可能性があると認識すべきと考える。

基本的には従来の商法での運営で先ずは支障がないと考えて良いのだろう。例えば、会社法214条により株式会社は株券を発行しないことが原則となった。しかし、商法においては、株主から不所持の申し出がない限り、株券発行が義務であったので、既存会社は全て株式発行会社である。株券発行会社であるかないかは、特に公開会社(株式譲渡制限のない会社[会社法2条五])の場合は、重要事項であることから、登記事項である。しかし、この登記は法務局が職権で行うこととなっているので、会社の方から手続きを必要としない。

会社法によりガバナンスが強化されたことは言えると考える。例えば、社外役員の活動状況の記載が事業報告書に求められる。(会社法施行規則124条四)社外取締役、社外監査役の専任に関する議案については、記載事項が多い。(会社法施行規則74条④、76条④)これらは、東証が3月1日から施行したコーポレート・ガバナンス報告書の提出義務と似通っている。

masami_hadama さんのブログ会社法であそぼ。(利益の配当と剰余金の配当)のQandAの5のQの質問を読んで、会社法の読み方について弁護士に頼っておられる方が多いのだと思った。このQandAの5の質問は、会社法においては剰余金の配当を行うに当たり株主総会の承認を必要とするが、無配の場合は議案とはならない。そこで、無配の背景説明は不用ですねとの質問である。商法では「利益ノ処分又ハ損失ノ処理ニ関スル議案」が承認事項であったことから無配であっても議案となっていた。確かに、変更とはなっている。しかし、定時株主総会で事業成績、財政状態について説明の必要がなくなったとすれば、奇異に感じるのが経営者の感覚であるはず。masami_hadama さんの回答と同じこととなるが、私は、会社法438条②により計算書類は定時株主総会の承認を受けなければならないですよと言いたい。

会社法により何が変わったか、弁護士のみの意見で行動することはできませんよと言いたい。例えば、会社法施行規則2条二十一に連結配当規制適用会社がある。分配可能額が連結ベースの剰余金の制限も受けることになるが、子会社の簡易組織再編が可能となる。連結配当規制適用会社となるためには、定款の変更を必要とせず計算書類に適用の旨を記載すればよい。(計算規則2条③七十二)これなどは、簡易組織再編の手続きは弁護士関係かも知れませんが評価は会社として行うものと考えます。

こんなことを書いているうちに面白くないブログになってしまった。せめて、この暑さのなか川の流れで涼んで下さい。

River

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2006年8月15日 (火)

8月15日

8月15日の終戦記念日は、日本人にとって特別な日である。大東亜戦争が終わり、以後61年間日本は平和を保っている。今後ともこの平和が永遠に続いて欲しいと日本人のすべてが願っている。

ところで、“八月十五日は「終戦記念日」ではない”と書いている本がある。

あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書 あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書

著者:保阪 正康
販売元:新潮社
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保阪正康氏の“あの戦争はなにだったのか”の第五章であり、保阪正康氏の書いておられる文章をそのまま記載したのが以下である。

“だが、「戦争が終わった日」は八月十五日ではない。ミズーリ号で「降伏文書」に正式に調印した九月二日がそうである。いってみれば八月十五日は、単に日本が「まーけた!」といっただけにすぎない日なのだ。世界の教科書でも、みんな第二次世界大戦が終了したのは、九月二日と書かれている。”

私もウェブ上で、幾つか調べてみたのが以下である。

1) Wikipedia (英語)http://en.wikipedia.org/wiki/World_war_ii#Pacific_Theatre_5

The Japanese surrendered on August 14, 1945 (V-J day), signing the Japanese Instrument of Surrender on September 2, 1945, aboard the USS Missouri (BB-63) anchored in Tokyo Bay.

2) Britanica (Brief Summary版) http://www.britannica.com/ebc/article-9382944

Atomic bombs were dropped on Hiroshima and Nagasaki in August 1945, and Japan's formal surrender on September 2 ended the war.

3) HighBeam Encyclopedia http://www.encyclopedia.com/html/W/WW2.asp

On Aug. 14, Japan announced its surrender, formally signed aboard the U.S. battleship Missouri in Tokyo Bay on Sept. 2.

それぞれ該当部分のみ抜き出したのであるが、9月2日のミズーリ号での降伏文書への調印により太平洋戦争は正式に終了したと書いている。書面に正式に調印することにより戦争は終結するのである。

一方、8月14日と記載しているのは時差の関係かというと、むしろトルーマン米大統領による日本のポツダム宣言受諾の発表の日が8月14日であるからではないかと思った。トルーマン大統領の発表にある日本政府の通告(a message from the Japanese Government)とは、国立国会図書館のWebを調べてみると8月14日に東郷外務大臣から在スウェーデン加瀬公使にあてた電信があった。この電信の下記の部分がトルーマン大統領発表の“Following is the Japanese Government's message accepting our terms:”以降の1,2に相当する。

「一 天皇陛下ニ於カセラレテハ「ポツダム」宣言ノ条項受諾ニ関スル詔書ヲ発布セラレタリ

二 天皇陛下ニ於カセラレテハ其ノ政府及大本営ニ対シ「ポツダム」宣言ノ諸規定ヲ実施スル為必要トセラルベキ条項ニ署名スルノ権限ヲ与ヘ且之ヲ保障セラルルノ用意アリ又 陛下ニ於カセラレテハ一切ノ日本国陸、海、空軍右官憲及官憲ノ指揮下ニ在ル一切ノ軍隊ニ対シ戦闘行為ヲ終止シ、武器ヲ引渡シ、前記条項実施ノ為聯合国最高司令官ノ要求スルコトアルベキ命令ヲ発スルコトヲ命ゼラルルノ用意アリ」

厳密にいえば8月14日の宣言では用意あり(is prepared)と書かれている。9月2日の降伏文書においてポツダム宣言の明確な受諾他が行われたのである。 当然と言えば当然である。外交においてもビジネスにおいても文書を正式に取り交わすことにより明確になるのであり、明確になっていない部分では互いに異なった解釈があり得る。しかし、終戦がいつの日であるか、日本が平和国家を目指すことを決めたのがいつの日であるか、それは日本人にとっては昭和天皇が玉音放送(終戦の詔書)をされた8月15日でよいと私は考える。8月15日は単なる終戦の日ではなく日本人が平和国家を誓った日であると考える。

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2006年8月10日 (木)

パロマ事故

パロマ事故の報道があってから、既に1月近くになるが依然として毎日のように報道がある。

Nikkei Netパロマとパロマ工業に立ち入り・経産省

Nikkei Netパロマ、役員の年末賞与カット・パート100人解雇

Asah Comパロマ、300人リストラ 事故損失200億円超(8月7日付)

企業にとってリスクとは多くの箇所に存在する。軽く考えてしまうと恐ろしい結果になる。過去と同様の対処が将来も通用するとは限らないと考えるべきと思う。パロマの場合も、強制排気ファンを持った湯沸かしを製造し、安全のために、排気ファンの停止は湯沸かし自体の使用不可能となるように設計した。多分、設計者も安全装置をはずして長期間使用するなんて考えなかったのであろうし、安全装置のみ部品の保持期間を延長するなんてことも考えなかったのであろうと思う。しかし、現実はずっと厳しかったし、今後は更に厳しくなると考えるべきである。例えば、アフターサービスの現場のことが会社全体にも伝わり、会社として常に適切な対応をとれるような体制を作っておくことが重要であると思う。

パロマ事件に関して様々なブログを見たが、そのなかで私にとって最も印象に残ったのが、ビジネス法務の部屋 [コンプライアンス経営はむずかしい(パロマ問題)]の中にあったコメントで、勝手にコメントの一部を転載・紹介させて頂くと以下であります。

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2006年8月 8日 (火)

「労働経済の分析」(労働経済白書)

Asahi Comにある「20代の所得格差広がる 労働経済白書」の記事を読み、早速厚生労働省のホームページを訪れ労働経済白書 の平成18年版 労働経済の分析 就業形態の多様化と勤労者生活の該当部分(第181ページ)を読んでみた。

図は次の通りであり、Asahi Comが掲げているのは第3-(1)- 8 図であるがむしろ第3-(1)- 7 図の方が、若年層(20歳代)において非正規雇用の割合の増加が顕著であることをよく示しており、実体がよくわかると感じた。

(図が切れて表示されると思いますが、クリックして下さい。ポップアップ・ウィンドウにフルサイズが表れると思います。)

Photo_2

白書の文章をそのまま引用すると「今のところ我が国社会においては、世帯単位でみた所得格差の明確な拡大傾向は認められないと考えられるが、1990 年代を通じて若年層において非正規雇用比率が大きく上昇したことから、収入の低い労働者の割合が高まっており、今後の行方が懸念される。
先に見たように正規雇用と非正規雇用の間には賃金格差があるが、第3 -(1)- 7 図により、年齢階級別に非正規雇用比率の変化をみると、1990 年代を通じて、特に、20 ~ 24 歳層において非正規雇用比率が大きく上昇している。」とある。

この問題への対応は簡単ではないが、これが若者の選択の結果ではなく、やはり社会の変化の結果が現れているのだと認識すべきと考える。

なお、この白書をめくっていくと以下に示した生活保護についての第3 -(2)- 24 図が目に入った。これって将来どうなるのと思ってしまった。即ち、1995年頃より生活保護世帯が増加しているが、その原因は高齢者世帯数の増加によるものではないか!今後益々、増加するのではないか!結局、生活保護を行うための財源は税金である。”エ~!”て叫び声が出てしまった。

Photo_1

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2006年8月 7日 (月)

平成19年第1四半期報告

四半期報告を行っている上場大会社の平成19年第1四半期の報告が、出そろってきている。

今回の四半期報告の財務諸表は会社法が初めて適用となる財務諸表であることから、会社計算規則に従って作成され、「資本の部」は「純資産」となる。(計算規則105条)又、損益計算書の最終行は前期繰越損益を含まない当期純損益金額であり、新たな様式である株主資本等変動計算書が作成される。

そう思って見てみると、当然そのように会社法・会社計算規則により作成された財務諸表があるのだが、一方で貸借対照表が負債及び資本の部となっている財務諸表がある。従来と同様になっているのは、米国会計基準で連結財務諸表を作成している会社であり、会社計算規則148条によりADRを発行していたりする場合には、連結計算書類を米国会計基準で作成できると規定されている。

ところで、これって、どのように考えたらよいのだろうかと頭の中がややこしくなってしまった。即ち、米国会計基準、国際会計基準にあわせるべく日本の会計基準を改訂してきていた。それでよいと思うし、企業会計基準委員会の「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」もすんなりと読める。この純資産の部の表示に関する日本の基準に違和感はない。

しかし、例えば米国GMのBalance Sheetを見ると右側は”liabilities”、”minority interests”そして”stockholders’ equity”となっており、評価差額(unrealized gains)や為替換算調整勘定(Accumulated foreign currency translation adjustments)は”stockholders’ equity”に含まれている。これって、これまでの日本基準に近いねと思ってしまう。

そんなに頭を抱えることではない気がするが。参考まで、幾つかの会社の四半期報告を以下に並べておきます。

三菱UFJフィナンシャル・グル-プ (会社法適用)

ソニー(米国会計基準適用)

GM

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2006年8月 5日 (土)

石油価格

軽油や重油の価格が上昇して企業は大変である。

Asahi Comの記事であるが、「原油高で倒産」急増、上半期で昨年総数超す」という記事が出ていた。

運送業22件、漁業6件とのことであるが、燃料と人件費が常にキャッシュで出ていく。節約できるのは、経営者の給料なんて世界である。倒産せずに何とか支えている企業の数は、星の数ほどあるのが現状。今後、エネルギー価格がどうなるかとグラフを書いてみた。

Crudeprice_3  

Fueloilprice3_1

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2006年8月 4日 (金)

ウェブ進化論

ココログの機能として「アフィリエイトでお小遣いを手に入れよう」というのがある。

そこで、アフィリエイトの練習として、以下のリンクを作りました。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる Book ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる

著者:梅田 望夫
販売元:筑摩書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

何故、梅田 望夫氏のウェブ進化論をアフィリエイトとして掲げたかであるが、私がブログを始める決心をしたことについて、多少はこの本が関係するからである。

現代は、PCやインターネットに無関係でビジネスをすることができない時代である。常に、時代の先端とまでいかずとも、やはり時代について行かねばならない。そうしないと、ビジネスが成立しない厳しい時代である。

でも多くの中小企業の経営者にとって、PCやネットは本当は苦手である。難しい横文字のしかも略号ばかり出てくる世界なんて解るわけがないと言いたい。

でも逃げてはいけない。時代がどう動こうとしているのか、知る必要がある。そんなための本がこの梅田 望夫氏のウェブ進化論と思います。

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2006年8月 3日 (木)

初めてのブログ(テスト)

ブログを始めようと、そう考えた。

売れない経営コンサルタント秋月ていぞうも売れないばかりが能ではない。せめて何か発信しなければと。

でも、使い方がわからずとも、PCは使っているうちに、わかるものだと、テストから開始することとする。

こんなバカなことから開始するから、我が経営コンサルタントはちっとも売れないのだろう。

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