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2006年8月21日 (月)

終身刑

毎日新聞に闘論:終身刑の創設 土本武司氏/海渡雄一氏との記事があった。

皆さんはどう思われるのだろうか?

死刑判決を下す裁判官、死刑執行を行う執行官にはなりたいとは思わない。でも法のためなら、そうせざるを得ないのですよね。

死刑、終身刑について何故か今年のある時期から私は入り込んでしまったみたいである。そのきっかけは、光市母子殺人事件という事件で、その当時私は知らなかったが、事件で妻と子供を失った被害者の夫であり父親である本村氏がTVにも出て犯人の死刑を叫んでいた事件です。

実は、私がこの事件を知ったのは、最高裁が異例とも言える弁護士を非難する意見表明を出したということからです。非難は弁論期日に出頭せず、弁論が開かれなかったからで、弁護士はオーム裁判でも有名な安田弁護士だったことから、安田弁護士非難が多く聞かれたのです。この事件は、一審、二審とも無期懲役で、被告はこれを認め、検察が最高裁に死刑を要求して告訴していました。安田弁護士は前任の弁護士から引き継いで2週間余りで、事件記録の精査もできないし、当日は別件が入っているとのことで弁論期日を3ヶ月延ばしてほしいと申し出ていたのでした。

補足説明が必要なのですが、実は最高裁が弁論を開くことは極めてまれなのです。刑事事件の場合は、死刑判決の場合と控訴審の判断を覆す場合が通例なのです。検察が最高裁に控訴してから2年ほど経過していたと思います。それなのに、一人の人間を死刑にするのに3ヶ月待てないのは、最高裁の権威主義ではないかとの考えの方も多くおられました。だから、刑事事件に詳しい多くの人は、この時から死刑判決を予想していたのです。

結局1回だけ、4月18日に控訴審が開かれ、6月20日に無期懲役の判決を破棄し広島高裁に差し戻す判決が出ました。また、これだけだと、上に書いた死刑判決の予想とは異なるではないかとなるのですが、実質死刑判決と私は思っています。

判決文については、ここをクリックするとPDFで出てきます。判決文の読み方については、モトケン弁護士の矢部善朗氏がブログで判決文の感想をここに書いておられますが、弁護の余地は非常に少ないのです。

残虐な事件であったのはその通りなのですが、この事件を通じて私が知ったことは、本村氏が「無期懲役だと、少年の場合は7年で仮釈放があるから、出てきたたら自分が殺してやる。」とTVで話していたということです。私は、直接TVを見たり聞いたりしていないのですが、本村氏の主張にマスコミや多くの人が同調してこの犯人の死刑を望んだのは事実と理解しています。

7年の仮釈放は、少年法58条①一で可能とされていることであり、刑法28条の無期懲役10年より短いので、7年もありうると言うわけです。

さて、「出てきたたら自分が代わりに殺してやる。」は、フーテンのトラの台詞「それを言っちゃーおしまいだよ。」である。他人をうらむことはあるが、そこまでうらむと不幸そのものではないか。そんな不幸には、なりたくない。刑法28条や少年法58条の無期懲役に対する仮釈放の期間の延長、終身刑の導入で不幸を少なくすることができるなら、それも解決ではないかと私は思ったのです。

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