« 8月15日 | トップページ | 弁護士 »

2006年8月21日 (月)

会社法

8月7日に会社法施行後の四半期報告について書いたが、会社法に関連して又少し書いてみようと思う。

随分前と言えるが、5月1日の会社法施行日にNHKニュースで「今日から会社のあり方が、大きく変わりました。」と読み上げられていた。私は、一瞬耳を疑ったのである。「少し変わりました。」という程度が適切と思うのに、「大きく変わった。」などというと知らない人は本当にしてしまう。実体を誇張して混乱を招く表現のニュースかなと思った次第である。

そのニュースの内容は単に1円から株式会社が設立できると伝えただけである。商法第2編、有限会社法及び商法特例法その他の法律を会社法として一つの法律として制定したとの説明が私にはよっぽど分かりやすいのだが。その結果、会社法以前の状態は原則として継続され、柔軟性(フレキシビリティ)が増大したとの説明が私には最も単純明快である。

例えば、最低資本金1円にしても柔軟性の増加である。株式会社の株主有限責任と債権者保護の調整として法による規制については、最低資本金による規制ではなく、配当制限による規制が合理的と考える。会社法458条で配当金の支払は会社の純資産額が3百万円を超える場合に限定したのは、旧有限会社法の最低資本金と同額としたことと思う。いずれにせよ、資本金の金額のみで会社の信用力は測定できず、一点のみで判断することは誤る可能性があると認識すべきと考える。

基本的には従来の商法での運営で先ずは支障がないと考えて良いのだろう。例えば、会社法214条により株式会社は株券を発行しないことが原則となった。しかし、商法においては、株主から不所持の申し出がない限り、株券発行が義務であったので、既存会社は全て株式発行会社である。株券発行会社であるかないかは、特に公開会社(株式譲渡制限のない会社[会社法2条五])の場合は、重要事項であることから、登記事項である。しかし、この登記は法務局が職権で行うこととなっているので、会社の方から手続きを必要としない。

会社法によりガバナンスが強化されたことは言えると考える。例えば、社外役員の活動状況の記載が事業報告書に求められる。(会社法施行規則124条四)社外取締役、社外監査役の専任に関する議案については、記載事項が多い。(会社法施行規則74条④、76条④)これらは、東証が3月1日から施行したコーポレート・ガバナンス報告書の提出義務と似通っている。

masami_hadama さんのブログ会社法であそぼ。(利益の配当と剰余金の配当)のQandAの5のQの質問を読んで、会社法の読み方について弁護士に頼っておられる方が多いのだと思った。このQandAの5の質問は、会社法においては剰余金の配当を行うに当たり株主総会の承認を必要とするが、無配の場合は議案とはならない。そこで、無配の背景説明は不用ですねとの質問である。商法では「利益ノ処分又ハ損失ノ処理ニ関スル議案」が承認事項であったことから無配であっても議案となっていた。確かに、変更とはなっている。しかし、定時株主総会で事業成績、財政状態について説明の必要がなくなったとすれば、奇異に感じるのが経営者の感覚であるはず。masami_hadama さんの回答と同じこととなるが、私は、会社法438条②により計算書類は定時株主総会の承認を受けなければならないですよと言いたい。

会社法により何が変わったか、弁護士のみの意見で行動することはできませんよと言いたい。例えば、会社法施行規則2条二十一に連結配当規制適用会社がある。分配可能額が連結ベースの剰余金の制限も受けることになるが、子会社の簡易組織再編が可能となる。連結配当規制適用会社となるためには、定款の変更を必要とせず計算書類に適用の旨を記載すればよい。(計算規則2条③七十二)これなどは、簡易組織再編の手続きは弁護士関係かも知れませんが評価は会社として行うものと考えます。

こんなことを書いているうちに面白くないブログになってしまった。せめて、この暑さのなか川の流れで涼んで下さい。

River

ブログランキング・にほんブログ村へ

|

« 8月15日 | トップページ | 弁護士 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 会社法:

« 8月15日 | トップページ | 弁護士 »