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2006年10月14日 (土)

救急医療ーどうなるの

川崎市と川久保夫妻(報道では実名となっていませんが、このエントリーの中のリンクで実名がでてくるので実名を使います。)との間で同夫妻の長男(当時3歳)がこんにゃくゼリー窒息により川崎市が夫妻に3百万円の和解金を支払うことで10月13日に和解が成立したとのニュースがありました。

毎日新聞 : 3歳児窒息死:救急搬送受け入れ拒否…川崎市と両親が和解

朝日新聞 : 死亡幼児遺族 川崎市と和解

産経新聞 : 長男の窒息死で川崎市立川崎病院と和解

私が知っている限りの情報では次のような事件です。

2003年8月7日午前9時半頃に長男(当時3歳)がこんにゃくゼリーを、のどに詰まらせ意識を失った。救急車を呼んだ。救急隊はこんにゃくゼリーを取り除いて気道を確保した。しかし、心肺停止状態であった。川崎市立病院に受け入れ要請を行うが、当時川崎市立病院には熱性けいれんの患者がおり、蘇生に必要な酸素を送る設備が足りないので受入が出来ないと断った。他の5病院にも断られ、最終的に川崎市立病院が受入を決定した。(この間12分経過。心臓マッサージ継続。)しかし、蘇生せず午後7時に死亡した。

両親は1年と少し経過した2004年11月26日に横浜地方裁判所川崎支部に損害賠償請求訴訟を提起した。

救急患者が同時に重なることはあります。そんなとき病院はどうするか。どうすべきか。先行優先で悪いのか。二兎を追うことが正しいのか。救急医療とは、どうあるべきか。医療が助けることが出来ないこともある。

実は、恐ろしいのは救急医療でも医療崩壊が始まっていることです。過酷な勤務であると同時に、二兎を追え、三兎を追えと医師は攻められるから、医師が逃げ出している分野です。救急医療を閉鎖した病院もあります。ビジネスの言葉を使えば、リスクが大きすぎる。

3百万円の和解金が結果としてどうなるのか、更に救急医療を崩壊に向かわせるのか分からないのですが、川崎市が何故3百万円の和解を行ったのかは、横浜地方裁判所が和解勧告を行ったからです。ここに川崎市議会の議案第135号がありますが、「裁判所から職権による強い和解勧告がなされた」と書いてあります。

裁判所とは、世の中の正義のために存在するとは限らない。訴訟された事件が解決されれば、良い。司法に限界は存在するのですが、その限界を知らせしめてくれている事件かも知れません。断った他の5病院について、どのような事情があったのかは、知りません。他の5病院については、訴訟にはなっていないと理解します。

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追記:

本年4月1日から川崎市立病院は重症救急患者を24時間体制で受け入れる三次救急医療施設の指定となりました。この事故があったときは、三次救急医療施設ではなかった。ところで、初期(一次)、二次、三次の救急医療施設の違いは、続きを読むを読んで下さい。神奈川県の記者発表はこれです。

初期(一次)、二次、三次の救急医療施設の違い

①初期救急医療施設・・・・在宅当番医制、休日夜間急患センターなど外来で治療できる軽い救急患者に対応する。

②第二次救急医療施設・・・・救急病院であり、通常の入院あるいは手術を要する、やや重症度の高い患者に対応する。

③第三次救急医療施設・・・・救命救急センターであり、一般病院で治療の出来ない重症救急患者に対応する。24時間の診療体制がとれ、かつ高度の診療機能を有している。

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投稿: パソコン心電計 | 2007年9月 4日 (火) 20時54分

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