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2006年11月 7日 (火)

七海ちゃんと移植医療

最近はほぼ毎日、宇和島徳洲会病院の万波誠医師による腎臓移植について日経新聞-万波医師、前任病院でも・病気腎移植のように報道があります。そんな中で、毎日新聞-腎臓移植:米で手術、七海ちゃん帰国読売新聞-米で腎臓移植の七海ちゃんが帰国、両親が喜びの会見という報道がありました。七海ちゃん及びご両親よかったですねとお祝い申し上げます。しかし、移植医療に関する様々な問題を含んでおり、たまたま、宇和島徳洲会病院の移植手術問題やその前の代理出産問題、代理出産による子供の住民登録問題等にも関係することもあり、これを機会に移植医療に関してすこし書いてみます。

1) 日本での臓器移植

臓器移植法が日本において1997年10月16日に施行され、脳死からの心臓、肝臓、肺、腎臓、膵臓、小腸などの移植が法律上可能になりました。最も、心臓の停止を人の死としての心臓停止後の腎臓と角膜の移植は、臓器移植法施行前から角膜及び腎臓の移植に関する法律の下で行われていました。それ以外には、1992年から開始された骨髄バンク事業としての骨髄移植や、1999年に始まったさい帯血バンク事業としてのさい帯血移植もあります。河野洋平氏への長男の河野太郎氏の生体肝移植で有名な生体間臓器移植もあります。広い意味では、輸血も生体間臓器移植と考えられると思います。

法としては、臓器移植法(正式な方の名前は、臓器の移植に関する法律)があり脳死からの臓器摘出等を定めています。日本組織移植学会は倫理委員会による倫理指針(ヒト組織を利用する医療行為の倫理的問題に関するガイドライン)を出しています。

日本における移植医療の原則は、次のような事項と了解します。

1. ドナー本人の自由意志による臓器の提供
2. 臓器売買等の禁止(無償の提供)
3. 人道的精神に基づいて提供
4. 機会の公平性

2) 海外臓器移植

海外で臓器移植を受けるのは、日本で臓器移植が受けられないという理由と了解します。決して、日本の医療技術や医療水準が低いからではないのです。

特に、日本における移植医療の原則の1.のドナー本人の自由意志については、臓器移植法が「臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合のみ、臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。」と規定しており、自由意志の表示が行える年齢は15歳以上であると厚生労働省がガイドラインを出しています。15歳以上とした理由は、民法961条が「十五歳に達した者は、遺言をすることができる。」と遺言能力を15歳以上としていることによります。

ウェブ検索で「XXちゃんを救う会」として検索すると多くのサイトが出てきます。ほとんどは、患者が幼くて、15歳未満の同じ年格好のドナーからの臓器提供は日本では禁止されており、移植医療を受けられないから、海外で医療を受けるというケースです。その為に、多額の費用がかかるので募金をお願いしますと書いています。

日本では、法律で禁じていることでも、海外であれば、許されるのかという問題があります。海外で、移植用の臓器が余っているわけではないのです。例えば、朝日新聞の記事に、腎臓提供者に金銭「仕組み立法化を」 米移植医が論文という報道があり、「脳死移植の「先進国」である米国でも提供される腎臓の不足は深刻だ。」と書いています。(記事は、リンク切れとなるかも知れないので、続きを読むにも入れておきます。)

「XXちゃんを救う会」の場合、移植そのものについての報道がないのですが、生体間臓器移植のみならず脳死移植が含まれます。自分の子供の命は救われたかも知れないが、ドナーとなった脳死した子供が存在し、さらにはどこかに本来であればその脳死した臓器を受け入れて助かった人がその国にいるかも知れません。日本のマスコミは「XXちゃんを救う会」の発表は伝えるが、臓器移植そのものについては報道していません。

「XXちゃんを救う会」のウェブをみて驚きました。ほとんどが「X月末まで生きられる可能性は1%以下」と書いてあります。ちなみに、七海ちゃんはこのように2月末と書いてありました。例えば、毎日(神奈川版)-心臓移植:白石逸郎さん待望の渡米、今月中にも心臓移植手術をという報道があります。この方の場合は、心臓移植ですから、渡米して脳死で亡くなる方を待つのです。それと約1億600万円の募金を集めたと書いてありますが、すごいと思いました。

3) 臓器移植について

宇和島徳洲会病院の万波誠医師による腎臓移植に問題がないとは言い切れませんが、「XXちゃんを救う会」の活動により代表される日本では法的に問題となるから海外臓器移植を選ぶ、或いは海外代理母出産等を選択するという問題とどちらがどうなのだろうかと思ってしまいます。日本では、法的に認められないから日本以外の完全に合法となる地域に行って実施する。そこまで、他人の個人問題に私も立ち入る気はありません。でも、割り切れない気持ちになります。

このような倫理問題を抱えている医療について、皆様はどう考えられますか?

「XXちゃんを救う会」はエゴと感情の世界と思います。勿論、自分が、その立場になったら、そうなってしまうかも知れない。でも、大所高所に立った時、問題が大きすぎるはずです。例えば、「XXちゃんを救う会」には、日本の移植医療はどうあるべきかの観点や日本の移植医療に関しての活動はないように思えます。もし、違った観点に立てば、世界にはHIVで薬もなく死亡していく多くの子供達がいます。

多くのマスコミ報道に、大所高所の観点が欠落していると思えて仕方がないのです。

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朝日新聞記事

腎臓提供者に金銭「仕組み立法化を」 米移植医が論文

2006年10月07日23時19分

 愛媛県の宇和島徳洲会病院での生体腎臓移植で臓器売買があった疑いが浮上しているが、脳死移植の「先進国」である米国でも提供される腎臓の不足は深刻だ。その解決策として、米エール大の移植医、エミー・フリードマン准教授は腎臓提供者に金銭が支払われる仕組みを立法化すべきだとする論文を、7日付の英医学会誌に発表した。

 准教授によれば、米国では05年に6562件の生体腎移植が行われた。日本同様、腎臓提供者への金銭支払いは禁じられているが、隠れての売買があるとされる。

 「移植関係者のうち、臓器提供者だけが利益を得ることができない。髪や血液、卵子は合法的に売買され、代理出産、臨床研究参加者も金銭を受け取ることが認められている。臓器提供者も利益を受け取っていいはず」と主張した。

 危険性の面でも、生体腎移植に伴う提供者の死亡は10万人に30人、代理母の死亡は10万人に5人で、極端に危険性が高いわけではないと指摘。その上で「政府の管理下で提供者への報酬を決め、適切な移植がなされれば、違法な売買はなくなり、公平さが増し、安全性も増す」とした。

 米国では透析患者の急増に脳死の腎臓提供が追いつかず、生体腎移植が増えている。

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コメント

日本というと「イジメ」で有名な国だ。
日本人の「イジメ」には島国の根性がそのまま現れている。
日本人が一生にかけて読む本といえば、暴力的でレベルの低い漫画がほとんどで、
だから日本人のレベルがあれだけ低く、まともな人格が形成されていないのではな
いだろうか。
日本人のうち、宗教や哲学、瞑想にかかわる書物を1冊でも呼んで
見た人は一体どのくらいいるのだろう。
まともな人格を持つ人なら「イジメ」などはするはずがない。
「イジメ」は他人の人格を踏みにじり、人格を虐殺する行為である。
小学校の時からクラスメートをいじめることに喜びを感じている
日本人をどうして先進国民と呼べよう。
3才の時に身に付いた習慣は80才になっても変わらないという。
日本人は死ぬ時までイジメを楽しみながら一生を終えたいのか。
日本航空(JAL)の乗務員だちは、彼らが育ってきた環境がそうだから
「イジメ」が身についているのか。フライトの度に、乗客を一人
選んでその乗客が歩行機を降りるまでみんなでいじめている。
サービス業に携わっているにもかかわらず、JALの乗務員が働く目的は
「イジメ」を楽しむためである。
何の罪もない韓国人乗客をいじめると一日の疲れが取れるとでもいうのか。
JALの乗務員だちのあの面をみよ。

醜い心がそのまま反映している」のである。

投稿: 日本というと「イジメ」で有名な国だ。 | 2006年11月 8日 (水) 06時55分

内容には同意です。

一点だけ。
>違った観点に立てば、世界にはHIVで薬もなく死亡していく多くの子供達がいます。

WHOの統計によると世界中で毎年1000万人の5歳以下の子供が死んでいます。
死因として最も多い4つ:肺炎・下痢・新生児の感染・マラリアで過半数。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=15794969&query_hl=1&itool=pubmed_docsum

これらは抗生剤、点滴といった、わが国ではどこでも受けられる「簡単な」医療で治せる。例えばマラリアの治療薬は一人300円に過ぎません。下痢に至っては安全な水さえ確保できれば予防できるものですが、それもままならない。

投稿: 立木 志摩夫 | 2006年11月10日 (金) 02時03分

立木 志摩夫さん

補足ありがとうございます。ちなみに、私も日本の外務省が発行しているODA白書2005年版(2006年は未発行と思います。)を見てみましたが、次のような記載がありました。

 WHOとUNICEFが作成した「水と衛生におけるMDG達成に向けて-進捗状況の中間報告」(2004年8月)によれば、上水道や井戸などの安全な水を利用できない人口は2002年に世界全体で約11億人おり、そのうち、アジアが約7億人、アフリカが約3億人となっています。また、全世界で約26億人が下水道などの基本的な衛生施設を利用できない状況にあり、うちアジアが約19億人、アフリカが約5億人となっています。
 水と衛生の問題は人の生命に関わる重要な問題であり、WHOによれば、安全な水や下水道などの基礎的な社会サービスが利用できないために、1日約5,000人の幼い子どもの命が奪われています。

投稿: 売れない経営コンサルタント | 2006年11月10日 (金) 21時46分

日本人も乗らないJAL

いつのことだったか,大韓航空でアメリカに行くとき,私の隣に20代のはじめに見える日本人女性が座ったことがある.フライトの時間が長いので,私たちは自然とあれこれと話を交わした.

私はなぜ日本人女性が韓国から大韓航空でアメリカに行くのかが気になって彼女に聞いてみた.
彼女はアメリカに留学しているが,休みの間日本で過ごし,アメリカに戻るのだといった.彼女は日本から大韓航空で韓国に来て,アメリカ行きの大韓航空に乗ったという.アメリカから日本に行くときも,大韓航空で韓国経由で日本に行くという.アメリカにいる彼女の友達も皆,そうするということだった.大韓航空の方がJALより値段がやすいのでお金が節約できるし,また,大韓航空の女性乗務員は皆親切で,礼儀正しく,きれしだし,また,機内食が美味しいと彼女は言った.

また,数年前,アシアナ航空でオストリアに行った時のことだが,私のとなりに30代はじめに見える日本人男性が座った.
その男性も,ヴィンで開かれる国際サマ-音?祭に参加するというのだった.その男性もアシアナ航空で日本からソウルを経由してヴィンに行くという.日本からJALでオストリアに行くより,アシアナでソウル経由で行った方がチケットが安いので,その差額を旅行先で使えるからだという.そして,アシアナ航空の乗務員はきれいだし,親切で優しく,機内食も気に入ったと言っていた.その男性はJALの乗務員は顔もあまりきれいではないし,不親切だといい,手を振った.(その男性はこういうことを言いながら笑ったので私も 一緖に笑った)

韓国の航空会社(KAL, ASIANA)を利用する外国人に聞いてみたら,たぶん同じことをいうだろう.

私はJALの女性乗務員達に親切な振る舞いまでは期待もしない.ただ,從業員としてやるべきことはきちんとやれというのだ.韓国人乗客に食事の配膳をしなかったり,コ-ヒ-サ-ビスをしなかったり,乗客をにらみつけて不遜な言葉を使ったり,国際路線で英語の一言もしゃべれなかったり,乗客が降りるとき, や謝りの言葉もなく,出口を防いで,ロボットみたいに前を向いたまま,びくともしないなど・・・せめてこんな行爲はやめてほしいのだ.
JALが乗客のためにやることはなんなのか?

JALはあんなレベルの低い人間を乗務員として採用した以上,何年かかってでもちゃんと 敎育させてから仕事に臨ませるべきではないか.あんな乗務員としての基本も備えていない女性たちに乗客を対応させるなんてとんでもない!
高いお金を払ってチケットを購入した乗客に,まずい食事に,レベルの低い女性乗務員,そして,イジメ!!JALのやることは何一つ気に入らない!!!

1999.11. kim

日本というと「イジメ」で有名な国だ。
日本人の「イジメ」には島国の根性がそのまま現れている。
日本人が一生にかけて読む本といえば、暴力的でレベルの低い漫画がほとんどで、
だから日本人のレベルがあれだけ低く、まともな人格が形成されていないのではないだろうか。
日本人のうち、宗教や哲学、瞑想にかかわる書物を1冊でも呼んで見た人は一体どのくらいいるのだろう。
まともな人格を持つ人なら「イジメ」などはするはずがない。
「イジメ」は他人の人格を踏みにじり、人格を虐殺する行為である。
小学校の時からクラスメートをいじめることに喜びを感じている日本人をどうして先進国民と呼べよう。
3才の時に身に付いた習慣は80才になっても変わらないという。
日本人は死ぬ時までイジメを楽しみながら一生を終えたいのか。

日本航空(JAL)の乗務員だちは、彼らが育ってきた環境がそうだから「イジメ」が身についているのか。フライトの度に、乗客を一人
選んでその乗客が歩行機を降りるまでみんなでいじめている。
サービス業に携わっているにもかかわらず、JALの乗務員が働く目的は
「イジメ」を楽しむためである。
何の罪もない韓国人乗客をいじめると一日の疲れが取れるとでもいうのか。
JALの乗務員だちのあの面をみよ。
醜い心がそのまま反映している」のである。

1999.10.kim

投稿: JALのやることは何一つ気に入らない!!! | 2006年12月10日 (日) 19時19分

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