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2006年12月18日 (月)

日興コーディアルグループのプレスリリース

証券大手の日興コーディアルグループが2005年3月期決算について証券取引等監視委員会が調べを進めているとの報道がありました。

日経-日興が不適切な利益計上・監視委調査、課徴金も視野
朝日-日興、利益水増しの疑い 証券監視委、課徴金5億円検討

これに対する日興コーディアルグループのプレスリリースはここにありますが、「本日、当社が不適切な利益を計上との一部報道がありましたが、現時点で申し上げられることは何もございません。」との、これプレスリリースなのと驚く文書でありました。でも、少し調べると余りにも不可解な事件なので以下、少し書いてみます。

1) 日興疑惑

月刊現代2006年2月号に「スクープ! 機密資料が物語る有村社長の『罪』、そして新たな『飛ばし』疑惑 日興証券『封印されたスキャンダル』呪縛はとけていなかった!」が載った。書き手は、元日経新聞記者の町田徹氏。発売されたのが、2005年12月28日で、この月刊現代2006年2月号の目次はここにあります。そして、翌日の12月29日に日経新聞が日興コーディアルグループの会計監査人である中央青山監査法人がNPIホールディングス(NPIH)を連結対象子会社とするように要請していたという内容を報じた。これらのことは、このブログ2006年1月2日に書かれていました。

そして、2006年2月3日の参議院財政金融委員会で民主党峰崎議員が日興コーディアルの粉飾疑惑として取り上げています。財政金融委員会議事録のこの部分は、続きを読むに入れておきます。

2) 疑惑の内容

日興コーディアルグループ(NPIHにしろ親会社である日興コーディアルグループのコントロール下であり、NPIHの判断で投資を行うことはあり得ない。以下”日興”とします。)は、2004年8月にベルシステム24の株式を取得し一気に3分の2以上の67.71%を保有する株主になっています。ここにベルシステム24のプレスリリースがあります。

ベルシステム24のホームページはここにありますが、電話をかけるコールセンターの会社です。日興が2004年8月にベルシステム24の株式を取得した方法は、5,200,000株を第三者割り当てにより1042.6億円で、そして1,580,000株をCSKから購入した。CSKから購入代金は不明であるが株式単価は同じ若しくはそれ以上と見てよいはずであるから317億円以上。従い、合計1,359億円でベルシステム24の株主となった。更にNPIHは、ベルシステム24の株式の公開買い付けを2004年10月に行い、全株を取得。公開買い付けの株式単価は28,000円であったことから公開買い付けにおいて支払った対価は776億円と推定される。以上で日興のベルシステム24に対する投資総額は2,135億円となる。

2,135億円の巨額の投資を日興は何故したのであろうか?日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)によるプレスリリースはここにありますが、このプレスリリースにてNPIは、事業内容を上場企業・未公開企業や証券化関連商品等を対象とした中長期的な投資事業と説明しており、投資目的でベルシステム24の全株式を取得したとのことである。投資事業とは投資の結果としての配当収入と転売益になるが、ベルシステム24の2004年5月期の年間連結売上高は672億円で純益47億円であった。純資産額は431億円で1株当たり8,950円である。2,135億円の投資のうちで、1042.6億円が増資に応じて払い込んだ資金で、残1092.4億円が発行済み株式の購入に充てられたこととなる。そこで、資産・負債価額が帳簿通りであったなら、1042.6億円から431億円を差し引いた661億円が連結貸借対照表に営業権として計上されなければらないことなる。

売上高は672億円、純益47億円、純資産額431億円の会社に対して2,135億円の巨額投資をおこなうことは、不可解と思ってしまう。そして、公開買い付けで買い付けできなかった株式については、産業活力再生特別措置法を使って現金による株式交換を行っている。何故こんなことを日興はしたのであろうか?なお、2006年2月期のベルシステム24の貸借対照表では622億円あると思った資本金がなんと90億円になっている。532億円はどこへ消えたのか、資本剰余金は564億円残っているが、損益計算書を見ると自己株式償却額として731億円が計上させれている。・・・・と言うことは、ベルシステム24は株主である日興から731億円の自己株式を購入した。即ち払い戻しを行ったこととなる。プレスリリースでは、資本減少公告が見あたらなかったが、多分誰も気が付かないうちに官報で公告を行ったのであろう。

不可解さは益々増大するばかりである。株式の3分の2多数を得られれば何でも出来る。3分の2の取得となるように第三者増資を仕組み、払い込んだ後は資本、資本剰余金、利益剰余金を好きなように組み替えし(この時点では100%子会社であったから、何でも可能)そして不必要であった資金は回収する。でも、こんなことがばれればやばいから連結対象外とした。そんな憶測も出来る気がします。

参考までに2006年9月29日のJ Castニュース です。

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平成18年2月3日参議院財政金融委員会における峰崎直樹議員と与謝野馨大臣との本件に関する答弁(国会議事録より)

○峰崎直樹君 非常に珍しいということなんでありまして、その恐らく上場のときの条件というのが必ず付いていると思いますが、そのことは今日はちょっとあれで、もう残りが五、六分しかなくなってしまいまして、肝心のこのライブドアとそれから日興コーディアルのベル24のところにほとんど入れないままに入ってしまいました。
 そこで、今日は、問題はライブドアでございましたけども、今度はベルシステム24を使った問題について、粉飾疑惑が起きているんじゃないかということで、資料を何点か用意をさせていただきました。
 ちょっとこれは問題提起だけで終わってしまうかもしれませんが、後日また必ず議論させていただきたいというふうに思いますが、お手元に一番最後に七ページに、資料を配った、ライブドアのMアンドAの構造図というのを書いてまいりました。これは、今回のライブドアがいわゆる刑事事件になったところのいきさつを書いたものでございます。これは詳しくもう時間ありませんので申し上げられません。
 実は、ベル24の買収問題というのが新聞あるいは最近では雑誌などもにぎわしているわけでありますが、このベル24が、日興コーディアルがどのようなやり方をしていったのかということについては、6ページにこのベル24買収の経緯を小さい字ですが書いておきました。何が問題だったのか。もう一言でしか時間がありませんので言いようがないわけでありますけれども、5ページの東京新聞のところが一番分かりやすいんじゃないかと思いますが、日興コーディアルグループという持ち株会社が下に投資会社を持っておりまして、日興プリンシパル・インベストメンツ、NPIというところがあり、その下に100%の出資のこれはSPC、NPIホールディングスという、そのSPCがベルシステム24を買収し子会社化していったと、こういう経過であります。
 で、複雑なやり取りがあるんですが、この100%出資したSPCの会社は、実は連結の対象に含めないということで、利益だけはその代わりこの日興コーディアルグループ全体にそれを付けていく、こういうやり方を取ったわけです。まあ詳しい中身は、今日は時間がもうなくなってきたのでやめますが、非常にライブドアのMアンドAの構造図と似ているんですが、ライブドアの場合は投資事業組合というのをつくったんです。このお手元に、一番最後、7ページですね。そして、これそこに、下に数字書いていますが、投資事業組合にライブドアが出資していた。これは何の違法もないんじゃないか。事業として企業買収をするというのは、下に3つ書いていますけれども、これも当たり前じゃないか。あるいは、そのグループ会社やライブドアとの間で株式交換を行うのは商法上認められている。そして、ライブドアあるいはそのグループ会社が株式分割を行うのは、商法上、何の支障も実は今のところはない。投資事業組合が投資有価証券を場外売却して利益を得るのも、これは本来の事業目的だ。得た利益で出資者であるライブドアに配当して資金還流すると、こういう構造だったんだと言われているんです。この中には、一つ一つの取引に問題があるということで今逮捕されているわけですね。取調べを受けているわけであります。
 問題は、何が言いたいかというと、日興コーディアル証券の方は100%子会社のSPCがやったわけですよ。そうすると、こういういわゆる投資組合とかあるいはSPCをどのように連結上扱うかというのは、実質支配権基準というのがあって、その実質支配権基準というのはだれが実際上支配しているかによって決まる。ライブドアの件で言えば、この投資事業組合がだれが実際上権限を持っていたか。お金は圧倒的にライブドアが出していたことは間違いないと思うんです。しかし、そこを運営していたのがだれかで決まるんです。それが実は自殺された方だった、自殺というか、沖縄で亡くなられた方だったんではないかと言われているわけです。これがキーマンだったわけです。
 今度のこっちの方は、日興コーディアルグループの方は、このホールディングスは100%SPCで持っているわけです。この会社は投資目的でならいいですよと。正に投資目的というのは御存じのようにベンチャーですよ。しかし、100%ベンチャーで出資するということはあり得ないし、100%出資しているんだったらこれ実質支配基準に該当するんですよ。ところが、これは実質該当基準に該当しないというふうに社長さんも答えているんだそうですよ。会計監査もそれで通っているんですよ。
 私は、また資料をその前見ていただきたいんですが、このライブドアと日興コーディアルグループによる、ライブドアと対比してみたんですよ。日興SPC、ベル24は、組織形態は株式会社、単独出資100%、資金依存も100%、意思決定は日興。ライブドアは投資事業組合で、これは組合という組織形態で、複数出資、多分持分割合は99%以下、ライブドアが重度、資金もかなり大きく依存している、ファンドの運営者が意思決定をした。同じような、今日、粉飾とか偽計とかということについては時間ないんで触れませんが、同じようなことをやっているというより、私は日興コーディアルのやった方の方が悪質じゃないかと思っているんですよ。
 これについて、実は今日は、刑事局長、このことについて答弁しろと言いませんが、金融担当大臣で結構です、こっちの方が悪質じゃないですか。どう思われます。

○国務大臣(与謝野馨君) 予断を持って判断を申し上げられませんが、勉強はしてみますし、仮に問題があるとすれば、法令の適用の対象となるかどうかはきちんと検討するつもりでございます。

○峰崎直樹君 是非検討してもらいたいんですよ。
 それで、いや、今日はそっちの方に本当は時間割きたかったんですけれども、またいつかやらしていただきますけれども、まあ同僚議員もやってくれると思うんですが、この仕組みをずっと見て、私、後ろにベルシステムが、24がどういうふうに買収されていったかという経過が書いていますからごらんになっていただいていると思うんですが、これは全部周知の事実なんですよ。新聞やいろんなもう雑誌なんかでも書かれているんですよ。
 で、今検討するということですから、調査をされ、検討されますね。そして、それは私どもに報告をしていただけますか。あるいは、委員会等の場で明らかにしていただけますか。

○国務大臣(与謝野馨君) 会社の名誉にかかわることでございますし、相手方の名誉を不当に傷付けないような方法で事実関係を調べたいと思っております。

○峰崎直樹君 調べていただきたいと、調査をしていただきたいと思います。
 で、監査もしておりますから、監査委員も調べてください。中央青山というその監査委員なんです。そして、ライブドアは港陽ですけれども、ライブドアマーケティングという会社の監査も、これまた中央青山なんです。
 で、私はもう何度も、これ中央青山はもう、カネボウも出ましたね、ダイエーも出てきた。このいわゆる管理監督は金融庁がやっておられるんですよね。ここら辺もしっかりやってもらわないといかぬと思っているんですよ。それも調査をし、報告をいただきたいんですが。
 私は国会に、今日はこれだけの、5、6分程度の質疑で皆さん方がああそれは問題だなというふうに思われないかもしれませんが、私は、委員長にお願いをして、是非この日興コーディアルの社長、有村さん、これはいろんなところでもうしゃべっておられますから、我々はこのベル24については間違ったことをやっていないとおっしゃっています。だから、この国会の場に来ていただいて、参考人として来ていただけないかな。それから、監査をされた方もおられますから、この監査基準に、きちんと本当に監査されていたかどうかという意味で、私は中央青山の奥山理事長にこの場に来ていただいて、私、数字を持っていますから、それで一つ一つ付き合わせしていきたいなと。
 お二人の参考人の招致をお願いを申し上げて、私の質問を終わらしていただきたいと思います。

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