冥王星が惑星ではなくなると話題になっている。
冥王星とは、ギリシャ神話のプルート(ギリシャ語でハーデス)から付けられた名前で、冥界(死者の世界)の王である。9つの惑星の中では一番新しい発見であり、1930年に米アリゾナのローウェル観測所のトンボー氏が発見した。大きさは月より小さい直径2320 km。(ちなみに月の直径は3476 kmで、重量(重力など関係ないから本当は質量)は月の18%)
ところで、カイパーベルト衛星(Kuiper Belt Objects - KBO)と言うのを、ご存じでしょうか?1992年にハワイ大学のJewitt氏とカリフォルニア大学バークレーのLuu氏がハワイ・マウナケア山の2.2m望遠鏡で最初のカイパーベルト衛星QB1を発見し、その後多くのカイパーベルト衛星が発見されているのです。なお、海王星より遠いところにある衛星をカイパーベルト衛星と呼び、木星と海王星の間にある衛星をケンタウルス衛星と呼んでいる。どれくらいの数が発見されているかというとをList Of Centaurs and Scattered-Disk Objectsを見て下さい。発見されていないのが大多数であるが全部で70,000個以上あるだろうと言うのだ。冥王星をカイパーベルト衛星と呼んでも、不自然ではなくなってしまったのです。
恒星(Star)とは太陽のように自ら光る星。惑星(Planet)とは恒星を回る星。衛星(Satellite)とは惑星を回る星。もし、このように整理すると、実はハレー彗星のような彗星(Comet)や小惑星(Meteor Astronomy)も良く知られている。何を惑星というのか、何故9つの天体(水金地火木土天海冥)を惑星と呼んだのか、訳もわからずに呼んでいたように思える。
以上が、国際天文学連合(IAU - INTERNATIONAL ASTRONOMICAL UNION)が本日惑星の定義について決議しようとしている背景である。決議案そのものは、下の続きを読むに入れておきました。(出所:IAUホームページ)
実は、私はこれを読んで、4つの決議案の全てが採択されても、矛盾を感じないのです。少なくとも5Aは採択されるのでしょう。従い、以下で間違いないと私は思っています。
(1)太陽系の惑星は8つである。(5Bが採択されれば、古典的惑星と呼ぶこととなる。)
(2)太陽を回る天体は、惑星(planet)、小惑星(dwarf planet)、太陽系小天体(Small Solar System Bodies)の3分類となる。(訳は私が勝手に行っているので、正式日本語名とは限りません。)
(3)冥王星は小惑星(dwarf planet)に含まれる。
何故か、新聞やTVの報道は私の上記の見解とは異なっているのが多そうである。報道が正しいか私の説明や見解が正しいか、皆さん是非チェックしてみて下さい。私に誤りがあった場合は、厳しいお叱りをコメントに書き込んで下さい。
ビジネスでは、報道をそのまま信じるのではなく、その情報源にまで遡って調査することが重要であり、勝ち抜くために必要なことであると考えております。
各新聞社の表題及び記事を以下に列挙しておきます。クリックすれば、それぞれの記事が開きます。降格なんて嫌な単語を使っている会社がありますね。
朝日:冥王星降格案が基本、惑星定義最終4案 24日採決
日経:「冥王星」降格に対抗案・国際天文学連合
毎日:太陽系惑星:冥王星除外で最終調整 IAU、今夜全体会合
産経:冥王星、格下げか 太陽系惑星、今度は8個に
読売:天文学連合会長、惑星数で2案提出へ…8個と11個
共同通信:惑星定義で2案採決へ 冥王星残す対抗案も提案
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